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雇用保険関連の助成金・給付金|失業保険・教育訓練給付金・求職者支援制度の活用ガイド

雇用保険関連の助成金・給付金|失業保険・教育訓練給付金・求職者支援制度の活用ガイド

雇用保険は、離職・失業時の生活保障にとどまらず、在職中のスキルアップや早期再就職を支援する幅広い給付制度を持っています。2025年4月には自己都合退職の給付制限が2か月から1か月へ短縮され、教育訓練の受講による制限解除も新設されるなど、制度が大きく拡充されました。本ガイドでは基本手当(失業保険)・教育訓練給付金・求職者支援制度・再就職手当を中心に、受給要件・支給額・申請手順を具体的な数値とともに整理します。

雇用保険の主な給付制度

雇用保険は労働保険の一種で、労働者を雇用するすべての事業所に強制適用されます。給付は大きく「求職者給付」「就職促進給付」「教育訓練給付」「雇用継続給付」の4種類に分類されます。以下の表で各給付の概要を確認できます。

給付名 主な対象者 概要
基本手当(失業保険) 65歳未満の離職者 離職前6か月の賃金日額の50〜80%を所定給付日数の範囲で支給
再就職手当 基本手当受給者で早期再就職した人 支給残日数に応じて基本手当支給残額の60〜70%を一括支給
教育訓練給付金 在職中・離職後の雇用保険被保険者 受講費用の20〜80%(上限10万〜64万円)を給付。3種類あり
求職者支援制度 雇用保険の受給資格がない求職者 無料の職業訓練+月額10万円の受講給付金を支給
高年齢雇用継続給付 60歳以上65歳未満で賃金が下がった人 60歳時点の賃金比75%未満になった場合に一定額を支給

基本手当(失業保険)の受給要件と支給額

基本手当は「求職者給付」の中核をなす給付で、以下の3要件をすべて満たす必要があります。

  • 雇用保険に加入していること
  • 失業状態(働く意思と能力があるにもかかわらず職に就けない状態)にあること
  • 原則として離職日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あること

解雇・倒産など会社都合による「特定受給資格者」や正当な理由がある「特定理由離職者」は、7日間の待期期間後から支給が開始されます。自己都合退職の場合は2025年4月以降、待期期間7日+給付制限1か月(改正前は2か月)の経過後に支給開始となります。

支給額の計算式

基本手当日額=賃金日額(離職前6か月の賃金総額÷180)×給付率(45〜80%)

総支給額は「基本手当日額×所定給付日数」で算出されます。下限額は年齢に関係なく2,295円(2025年時点)に統一されており、2025年8月1日以降は算定基準の改定により支給額が変動する場合があります。

2025年8月以降の基本手当日額改定

2025年8月1日以降の認定日には受給資格者証に新しい「基本手当日額」が印字されます。既に受給中の方も対象となる場合があるため、認定日にハローワークで確認してください。

受給期間中のアルバイトに関する注意

アルバイト・パートと支給停止

受給期間中の就労は完全には禁止されていませんが、週20時間以上働くと「就職した」とみなされ支給が停止されます。週20時間未満であっても、1日4時間以上働いた日はその日の手当が支給されません。

教育訓練給付金|3種類の給付と支給額

教育訓練給付金は働く方の能力開発・キャリア形成を支援するため、厚生労働大臣が指定する講座を受講した場合に費用の一部を給付する制度です。初めて受講する場合は雇用保険の被保険者期間が通算2年以上(2回目以降は3年以上)必要です。離職後の方も同条件で受給できます。

種別 基本給付率・上限 追加給付(就職等要件あり) 最大給付率・上限
一般教育訓練 20%(上限10万円) なし 20%(上限10万円)
特定一般教育訓練 40%(上限20万円) 資格取得後1年以内に就職:+10%(上限25万円) 50%(上限25万円)
専門実践教育訓練 50%(年間上限40万円) 資格取得後1年以内に就職:+20%(年間上限56万円)
さらに賃金5%以上上昇:+10%(年間上限64万円)※2024年10月以降開講分
80%(年間上限64万円)

申請の流れ

  1. 受講開始日の1か月前までにジョブ・カードを取得し、必要書類をハローワークへ提出
  2. 専門実践の場合は訓練期間中6か月ごとに支給申請(終了翌日から1か月以内)
  3. 一般・特定一般の場合は受講修了日の翌日から1か月以内に申請(期限超過でも2年以内なら受付可)

受講修了が給付の前提条件

教育訓練給付金は講座を修了しないと給付されません。資格試験の合否は問われませんが、修了が必須です。また、公務員・自営業者など雇用保険非加入者は対象外となります。

教育訓練支援給付金|訓練中の生活費を補助

専門実践教育訓練給付金を初めて受給する方が、昼間通学制の専門実践教育訓練を受講しており、かつ失業状態にある場合に受給できる制度です。訓練期間中の基本手当が支給されない期間について、2か月ごとに失業の認定を受けた日数分が支給されます。

受講開始時期 給付率
2025年3月31日以前に受講開始 基本手当日額相当額の80%
2025年4月1日以降に受講開始 基本手当日額相当額の60%

本制度は令和8年度末までの暫定措置です。受給するには2か月に1回、ハローワーク指定の認定日に来所して失業認定を受ける必要があります。

出席率8割未満で支給停止

2か月ごとの失業認定期間中に教育訓練の出席率が8割を下回ると、それ以降の教育訓練支援給付金は支給されなくなります。やむを得ない欠席であっても全体の出席率を意識した受講管理が必要です。

求職者支援制度|雇用保険なしでも月10万円

雇用保険の受給資格がない、または受給期間が終了した求職者を対象とした制度です。無料の職業訓練受講と月額10万円の「職業訓練受講給付金」を組み合わせることで、スキルアップと生活保障を両立できます。令和6年度当初予算として259億円が配分されています。

対象者(特定求職者)の主な要件

  • 雇用保険の被保険者(受給者)でないこと
  • ハローワークで求職申し込み中であること
  • 働く意欲があり、すぐに働ける状態であること
  • 在職中の場合は週所定労働時間が20時間未満または1日4時間以下であること

申請フロー

  1. 求職申込み・制度説明:ハローワークに求職申込みを行い、求職者支援制度の説明を受ける
  2. 訓練コース選択:職業相談を経て訓練コースを選択し、受講申込書等を受け取る
  3. 受講申し込み:ハローワークで受講申し込みを行う
  4. 選考:訓練実施機関で面接・筆記などの選考を受ける
  5. 就職支援計画の交付:合格後、訓練開始前日までにハローワークで「就職支援計画」の交付を受ける

給付金は支給申請からおおむね1週間程度で指定口座に振り込まれます。訓練終了後3か月間も原則月1回ハローワークへ来所し、就職活動サポートを受けます。交通費(通所手当)や寄宿費も別途支給されます。

出席要件と世帯要件に注意

訓練実施日全日出席が原則です。やむを得ない理由があっても出席率8割以上が必要です。また、世帯内で同時に給付金を受給して訓練を受けている者がいないこと、過去3年以内に不正受給がないことも要件となります。

再就職手当|早期就職で基本手当残額の最大70%を一括受給

再就職手当は「就業促進給付」に分類され、基本手当の受給資格を持つ人が早期に再就職・開業した場合に支給される一時金です。早く再就職するほど給付率が高くなる仕組みになっています。

就職時の支給残日数 給付率
所定給付日数の3分の2以上残して就職 支給残日数×基本手当日額の70%
所定給付日数の3分の1以上残して就職 支給残日数×基本手当日額の60%

基本手当日額の上限は2025年5月時点で6,395円(60歳以上65歳未満は5,170円)です。申請は就職日翌日から1か月以内に再就職手当支給申請書をハローワークへ提出(本人・代理人・郵送可)し、審査後おおむね1〜2か月で振り込まれます。

主な受給資格

  • 就職日前日までに失業認定を受け、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
  • 1年を超える雇用が予定されており、雇用保険の被保険者になること
  • 離職前の事業主(またはその関連会社)への再就職でないこと
  • 過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受給していないこと
  • 受給資格決定前から採用が内定していなかったこと

雇用期間1年未満の場合は対象外

採用時点で雇用期間が1年未満と定められている場合は再就職手当を受給できません。ただし、更新により確実に1年以上の勤務が見込まれると判断された場合は受給可能です。短期派遣・季節限定の仕事などは特に確認が必要です。

2025〜2026年の主な制度改正

2024〜2025年にかけて雇用保険法が大幅に改正されており、特に2025年4月と10月の変更点は受給戦略に直結します。

施行時期 改正内容 ポイント
2024年10月〜 専門実践・特定一般教育訓練給付金の拡充 賃金5%以上上昇で最大80%(年64万円)、特定一般は就職後最大50%(25万円)
2025年4月〜 自己都合退職の給付制限を1か月に短縮 従来の2か月から1か月へ。5年以内3回以上の自己都合退職は3か月のまま
2025年4月〜 教育訓練受講による給付制限の解除 離職日前1年以内または離職後の教育訓練受講で給付制限期間が撤廃
2025年4月〜 教育訓練支援給付金の給付率引き下げ 基本手当日額相当額の80%→60%(令和8年度末までの暫定措置)
2025年8月〜 基本手当日額の算定基準改定 認定日に新しい日額が受給資格者証に印字される
2025年10月〜 教育訓練休暇給付金の創設 在職中に30日以上の無給教育訓練休暇を取得した場合の生活費を支援

教育訓練休暇給付金(2025年10月〜)

教育訓練に専念するために無給で休んだ場合に生活費を支援する新制度です。対象となる休暇は、就業規則や労働協約に規定され、労働者が自発的に希望し事業主の承認を得た30日以上の無給休暇です。在職中でも給付が受けられる画期的な仕組みです。

関連する支援制度・給付金

雇用保険本体の給付のほかにも、失業・離職者を支援する制度が複数あります。状況に応じて組み合わせることで、生活の安定と早期再就職につなげられます。

制度名 内容 窓口
訓練延長給付 職業訓練受講中は基本手当の給付を延長できる場合がある ハローワーク
通所手当・受講手当 公共職業訓練受講中の交通費・日額の手当 ハローワーク
求職者支援資金融資 受講給付金(月10万円)に加え、生活費を低利で融資 労働金庫(ろうきん)
住居確保給付金 就労意欲があり住居喪失状態にある離職者への家賃給付(原則3か月、最長9か月) 自治体の自立相談支援機関
高年齢雇用継続給付 60歳以上65歳未満で賃金が75%未満に低下した場合に一定額を支給 ハローワーク
育児・介護休業給付 育児・介護休業取得者への生活費給付(要件:離職前2年間に被保険者期間12か月以上) ハローワーク
雇用調整助成金 経済上の理由で事業縮小を余儀なくされた事業主が休業・訓練・出向に要した費用を助成(事業主向け) 都道府県労働局・ハローワーク

他にも活用できる補助金・助成金は多数あります。補助金・助成金を検索することで、自分の状況に合った制度を見つけることができます。

まとめ

  • 基本手当(失業保険)は離職前6か月の賃金日額の50〜80%、下限2,295円が所定給付日数分支給される
  • 2025年4月から自己都合退職の給付制限期間が2か月→1か月に短縮。教育訓練受講により制限解除も可能
  • 教育訓練給付金は3種類あり、専門実践は最大80%(年64万円)まで受給できる(2024年10月以降開講分)
  • 教育訓練支援給付金は2025年4月以降の受講開始分から給付率80%→60%に引き下げ(令和8年度末までの暫定措置)
  • 求職者支援制度は雇用保険の受給資格がなくても利用でき、無料の職業訓練+月10万円の給付金を受けられる
  • 再就職手当は支給残日数が所定給付日数の3分の2以上で70%、3分の1以上で60%が一括支給される
  • 2025年10月からは在職中の無給教育訓練休暇を支援する「教育訓練休暇給付金」が創設される
  • 住居確保給付金・求職者支援資金融資など関連制度も組み合わせることで生活の安定を図れる
  • 各給付金はハローワークでの申請が基本。認定日・申請期限を厳守することが受給の前提となる

参考情報

雇用保険以外にも活用できる補助金・助成金が多数あります。あなたの状況に合った制度を検索してみてください。

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