メインコンテンツへスキップ

外国人労働者雇用で使える助成金・補助金ガイド【2025〜2026年度版】

外国人労働者雇用で使える助成金・補助金ガイド【2025〜2026年度版】

令和6年10月末時点で日本の外国人労働者数は約230万人と過去最高を更新し、外国人を雇用する事業所数も342,087事業所に達しています。外国人労働者の採用・定着を支援するため、厚生労働省・経済産業省・各地方自治体はいずれも返済不要の助成金・補助金を用意しています。本記事では、制度の種類・支給額・申請フロー・注意点を体系的に整理します。

助成金と補助金の違い

「助成金」と「補助金」はどちらも返済不要の公的給付金ですが、管轄省庁と財源、受給のしやすさが異なります。

項目 助成金 補助金
主管省庁 厚生労働省 経済産業省 など
財源 雇用保険料 税金
受給要件 要件を満たせば原則受給可 審査あり・採択率による競争
難易度 比較的低い 高い(審査通過が必要)

助成金は要件を満たしていれば必ず交付される仕組みであるため、外国人雇用の文脈では助成金を中心に活用を検討することが現実的です。 補助金・助成金を検索することもあわせて活用ください。

主要な助成金制度と支給額一覧

外国人労働者の雇用に関連して活用できる主な厚生労働省の助成金を以下に整理します。

制度名 支給額・助成率 主な対象
人材確保等支援助成金
(外国人労働者就労環境整備助成コース)
1措置導入につき定額20万円
(上限80万円)
就労環境整備措置を新たに導入する事業主
人材開発支援助成金
(人材育成支援コース)
中小企業:経費助成率45%
賃金助成760円/時間
eラーニング等:10〜50万円(定額)
職業訓練を実施する事業主
トライアル雇用助成金
(一般トライアルコース)
月額最大4万円
(母子・父子家庭の親:月額最大5万円)
試行雇用を実施する事業主
キャリアアップ助成金 中小企業:1人あたり最大80万円 非正規から正規へ転換を支援する事業主

令和7年度の制度変更

人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、令和7年度より支給方式が変更されました。令和6年度までは実際の経費に対して助成率が設けられていましたが、令和7年度以降は実際の経費額にかかわらず、認められた措置を導入した場合に定額で支給される仕組みとなっています。

人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)の詳細

外国人雇用に特化した代表的な助成金であり、最も活用実績の多い制度です。制度の要件と必須措置を把握しておくことが重要です。

受給のための基本要件

  • 雇用保険の被保険者となる外国人労働者(特別永住者および在留資格「外交」「公用」を除く)を雇用していること
  • 「外国人雇用状況届出」を提出済みであること
  • 倒産・解雇などによる離職者割合が6%以下であること
  • 就労環境整備措置の実施日翌日から6ヶ月間の外国人労働者の離職率が15%以下であること
  • 外国人労働者数が2人以上10人以下の場合は、6ヶ月経過後の離職者数が1人以下であること

必須実施措置と選択措置

区分 措置内容
必須(2つ)
  • 雇用労務責任者の選任
  • 就業規則等の多言語化
選択(1つ以上)
  • 苦情・相談体制の整備
  • 一時帰国のための休暇制度の整備
  • 社内マニュアル・標識類等の多言語化

外部機関への委託が必須

本助成金の対象経費は「外部機関等に委託するものに限る」という要件があります。自社スタッフが標識の翻訳を行った場合などは助成対象外となるため、外部の翻訳会社や専門業者への委託が必要です。

申請フロー(人材確保等支援助成金)

申請は5つのステップで構成されます。計画提出前に経費を支払ってしまうと助成対象外になるため、手順の順序が特に重要です。

  1. 就労環境整備計画の作成・提出: 本社所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワークへ提出。計画期間は3か月以上1年以内。
  2. 計画の認定: 提出した計画が受理・認定されるまで、対象経費の支出を開始しない。
  3. 措置の導入・実施: 認定された計画に基づき就労環境整備措置を導入し、実施した措置を証明する書類を準備する。
  4. 算定期間(12ヶ月)の経過: 措置導入後、算定期間として12ヶ月間の実績を積む。この間の離職率管理が重要。
  5. 支給申請: 算定期間終了後2ヶ月以内に都道府県労働局またはハローワークへ申請。認定後に助成金が支給される。

後払いの原則と資金計画

助成金は原則として後払いです。取り組みを先に実施してから申請・認定・支給という流れのため、支給まで最長1年程度かかる場合があります。先行して経費が発生することを前提とした資金計画が必要です。

キャリアアップ助成金・トライアル雇用助成金の活用

外国人労働者雇用において、就労環境整備以外でも活用できる助成金があります。

キャリアアップ助成金

派遣や短期雇用から正規雇用へのステップアップを支援する制度で、中小企業の場合1人あたり最大80万円が支給されます。ただし、在留資格「技能実習」および「EPA看護師・介護士」の試験合格前の方は対象外となります。

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

職業経験が少ない外国人労働者を正規従業員での採用を前提として試用期間付きで採用した場合、1人あたり月額最大4万円(母子・父子家庭の親の場合は月額最大5万円)が支給されます。令和8年度(2026年度)予算概算要求においても継続が見込まれています。

キャリアアップ助成金の在留資格制限

キャリアアップ助成金では、在留資格「技能実習」およびEPA看護師・介護士(試験合格前)は受給対象外です。対象となる在留資格を事前に確認した上で申請の可否を判断してください。

地方自治体・その他の支援制度

国の制度に加え、地方自治体や経済産業省系の支援制度も活用できます。地域・業種によって内容が異なり、募集期間が限定される傾向があります。

制度・地域 内容・支給額 対象
東京都
日本語教育助成
日本語学校通学・企業内研修経費の1/2、最大25万円 都内中小企業の外国人従業員
沖縄県
外国人介護人材受入補助
対象経費の2/3、1事業所あたり最大20万円
(受付:令和7年6月9日〜12月26日)
特定技能1号または技能実習「介護」受入事業所
町内中小事業者向け
技能実習・特定技能受入助成
初期経費(渡航費・講習費・宿泊費等)の1/2以内、1人あたり上限15万円 1年以上継続して受け入れる町内中小事業者
国際化促進
インターンシップ事業
1日1人2,000円を企業へ支給 外国人留学生をインターンとして受け入れる企業
外国人雇用管理アドバイザー 専門家による事業所訪問・相談(相談料無料) 外国人労働者を雇用する全事業主

自治体の制度は毎年改定が続いており、業種・地域ごとに柔軟な支援が展開されています。 補助金ガイド一覧から地域別の情報もあわせて確認することを推奨します。

申請時の主な注意点

助成金の受給を確実にするために、以下の5点を事前に把握しておく必要があります。

計画提出前に経費を支払わない

就労環境整備計画の提出前に対象経費を支払った場合、その費用は助成対象外となります。必ず計画が受理・認定された後に経費を支出してください。
① 外部機関への委託: 対象経費はすべて外部機関等への委託が条件です。自社スタッフによる翻訳作業等は対象外となります。
② 離職率の管理: 措置実施日の翌日から6ヶ月間の外国人労働者の離職率を15%以下に維持する必要があります。外国人労働者数が2〜10人の場合は離職者数が1人以下であることが要件です。
③ 書類の原本保管: 支給審査では提出書類の原本提示を求められる場合があります。また、支給後に立入審査が行われることもあるため、支給申請書および添付書類の写しは支給決定日から5年間保管が必要です。
④ 在留資格の確認: 特別永住者、在留資格「外交」「公用」の方は対象外です。キャリアアップ助成金では「技能実習」も対象外となるため、各制度の対象在留資格を個別に確認してください。
⑤ 後払い・資金計画: 助成金はすべて後払いのため、支給まで最長1年程度の期間を要する場合があります。先行支出に対応できる資金繰りを確保した上で計画的に活用することが重要です。

2025〜2026年度の制度動向

2025〜2026年度は制度の見直しと拡充が進んでいます。主な動向を以下に整理します。

  • 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)が令和7年度より定額支給方式へ移行
  • 在留資格の拡大(技能実習・特定技能・留学卒業・家族帯同ビザへの給付枠)
  • 雇用保険の適用範囲の見直しが実施され、短時間労働者への適用拡大が進む見通し
  • 各自治体の独自補助金制度は毎年改定が続いており、業種・地域ごとの支援が拡充傾向
  • 令和8年度(2026年度)概算要求においてトライアル雇用助成金の継続が見込まれている

制度の最新情報の確認を推奨

助成金・補助金の制度内容は年度ごとに変更されます。申請前に必ず厚生労働省または管轄のハローワーク・都道府県労働局の公式情報を確認してください。

まとめ

  • 助成金(厚生労働省管轄・雇用保険財源)は要件を満たせば原則受給でき、補助金より申請のハードルが低い
  • 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は令和7年度より定額支給方式(1措置20万円・上限80万円)に変更された
  • 就労環境整備助成コースでは、雇用労務責任者の選任と就業規則等の多言語化が必須措置
  • 対象経費はすべて外部機関への委託が条件であり、自社対応分は助成対象外
  • 計画認定前の経費支出・離職率超過・書類不備は受給失敗の主な原因となる
  • 助成金は後払いのため、支給まで最長1年程度を要することを前提に資金計画を立てる
  • 東京都・沖縄県など自治体独自の補助金制度もあり、国の制度と組み合わせた活用が可能
  • キャリアアップ助成金(最大80万円)・トライアル雇用助成金(月額最大4万円)も外国人労働者雇用に適用できる

参考情報

外国人労働者雇用に活用できる助成金・補助金を検索して、自社に合った支援制度を見つけてください。

補助金を検索する