地域・業態の特徴
鳥取県は全国最少人口の県であり、鳥取市・米子市・倉吉市の3都市圏に人口が集中している。鳥取駅周辺や米子駅前の既存クリーニング店は高齢化による廃業が進んでおり、後継者不在の店舗も多く、新規参入の余地が生まれている。観光客向けのホテル・旅館が多い皆生温泉や鳥取砂丘周辺エリアでは、リネン・浴衣クリーニングの法人需要も一定数見込める。
鳥取県内の人口分散を踏まえると、鳥取市のイオン鳥取北店や湖山地区、米子市の米子道沿いロードサイドなど車でのアクセスを前提とした立地が自家工場型には向いている。隣接する島根県松江市や岡山県津山市への配送集荷網を早期に構築することで、単独商圏の人口の少なさをカバーできる。有機溶剤を使用するドライクリーニングを自社工場で行う場合、消防法・大気汚染防止法に基づく届出が必要で、鳥取県の担当窓口との事前協議を開業6ヶ月前には開始しておく必要がある。
経営のヒント
- 米子市の日吉津村・境港市を含む弓ヶ浜エリアは工場用地の賃料が比較的安く、自家工場の設備を置く広めの物件を確保しやすい立地として検討価値がある
- 鳥取砂丘コナン空港周辺の民宿・ゲストハウスや皆生温泉の旅館との法人契約を営業開拓することで、個人客だけに頼らない安定した売上基盤を作れる
- 県内唯一のショッピングモールであるイオン鳥取北店や丸合などのスーパー内への受付カウンター設置(取次店化)で集荷拠点を分散させ、工場は郊外に置くモデルが原価率を抑えるうえで有効
確認したいリスク
- 鳥取県の人口は約54万人と全国最少水準で、住宅密集エリアが限られるため、月商69万円を達成するには徒歩圏の商圏人口だけでは不足し、車・自転車圏まで含めた集客設計が必須になる
- テトラクロロエチレン(パーク)を使うドライ機導入時は鳥取県生活環境部への大気汚染防止法の届出と、場合によっては土壌汚染リスク管理も求められ、物件オーナーの理解取得が難航するケースがある
- 普通シナリオでの税引後手取りが−4万円と試算されており、開業後12ヶ月は赤字覚悟の運転資金(最低300〜400万円)を日本政策金融公庫の創業融資で確保しておかないと資金ショートのリスクが高い
鳥取県で自家工場型クリーニング店を開業するために必要な資格・届出・設備の全知識
自家工場型クリーニング店の開業には、まずクリーニング業法に基づく「クリーニング師」免許の取得(都道府県試験合格)と、鳥取県知事への「クリーニング所開設届」の提出が必須。工場内の換気・採光・消毒設備は同法施行規則の基準を満たす必要があり、開設前に鳥取県福祉保健局の立入検査を受ける。ドライクリーニング機を設置する場合は大気汚染防止法に基づく揮発性有機化合物(VOC)排出施設の届出も必要。プレス機・ウォッシャーなど主要設備への初期投資は一般的に500〜1,000万円規模になるため、設備導入はリース活用で初期費用を圧縮する事業者も多い。
鳥取県でクリーニング師の資格を取るにはどうすればいい?
鳥取県が年1回実施するクリーニング師試験に合格後、知事へ免許申請する。試験は筆記と実技があり、合格率は例年60〜70%程度。
自家工場を鳥取市内の住居兼用物件に設置できる?
クリーニング所は住居との構造上の区画が義務付けられており、兼用物件の場合は独立した出入口と専用排水設備の確保が県の検査で確認される。
開業時の運転資金はどこから調達するのが現実的?
日本政策金融公庫の新創業融資制度が最も一般的で、鳥取市・米子市の各支店で相談できる。自己資金の2〜3倍程度を目安に申請するケースが多い。