グリーン化・環境配慮企業向け補助金・助成金|ESG経営・サステナビリティ投資ガイド2026
日本政府は2030年度までに温室効果ガスを2013年度比46%削減、2050年カーボンニュートラル実現を国家目標に掲げています。その実現に向けて、国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携し、住宅から製造業まで幅広い分野に補助制度を展開しています。2026年度は住宅向け支援が「みらいエコ住宅2026事業」(予算1,450億円)へ再編され、企業向けでは省エネ・非化石転換補助金の2次公募が受付中です。本ガイドでは2026年6月時点の主要な補助金・助成金制度の要件・補助額・申請フローを体系的に整理します。
2026年度 グリーン補助金の全体像
2026年度のグリーン補助金は、住宅の新築・改修から、工場・事業場の省エネ設備導入、再生可能エネルギー関連設備まで多岐にわたります。住宅向けの新築支援は予算1,450億円の「みらいエコ住宅2026事業」として実施され、企業向けは令和7年度補正予算による省エネ・非化石転換補助金(4類型)が公募中です。
主要制度は大きく「住宅関連」と「企業・事業場関連」の2系統に分類されます。住宅関連は国土交通省・経済産業省・環境省が連携する「住宅省エネ2026キャンペーン」として、みらいエコ住宅2026事業・先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業などが実施されます。企業・事業場関連は経済産業省の省エネ補助金(SII)、環境省のSHIFT事業、中小企業庁のものづくり補助金などが柱となっています。
| 制度名 | 所管省庁 | 対象 | 最大補助額 |
|---|---|---|---|
| みらいエコ住宅2026事業 | 国土交通省ほか | 住宅(新築・リフォーム) | 125万円 |
| 省エネ・非化石転換補助金 | 経済産業省(SII) | 工場・事業場 | 15億円 |
| SHIFT事業 | 環境省 | 工場・事業場 | 5億円 |
| ものづくり補助金(グローバル枠) | 中小企業庁 | 中小企業・小規模事業者 | 4,000万円(大幅賃上げ特例時) |
| GXサプライチェーン構築支援 | 経済産業省 | 製造業(GX関連) | 個別審査 |
住宅関連補助金:みらいエコ住宅2026事業と住宅省エネ2026キャンペーン
2025年度の「子育てグリーン住宅支援事業」は2026年度から「みらいエコ住宅2026事業(脱炭素志向型住宅の導入支援事業)」へ再編されました。「住宅省エネ2026キャンペーン」は、①みらいエコ住宅2026事業(国土交通省ほか)、②先進的窓リノベ2026事業(環境省)、③給湯省エネ2026事業(経済産業省)、④賃貸集合給湯省エネ2026事業(経済産業省)の各事業が連携し、ワンストップでの利用が可能です。
補助額の詳細
| 住宅種別 | 補助額 | 建て替え加算 | 対象世帯 |
|---|---|---|---|
| 脱炭素志向型(GX志向型)住宅(新築) | 110万円(地域区分1〜4は125万円) | — | 全世帯 |
| 長期優良住宅(新築) | 75万円(地域区分1〜4は80万円) | — | 子育て・若者夫婦 |
| ZEH水準住宅(新築) | 35万円(地域区分1〜4は40万円) | — | 子育て・若者夫婦 |
| リフォーム(断熱改修等) | 最大100万円 | — | 全世帯 |
| 窓交換(先進的窓リノベ2026) | 最大100万円 | — | 全世帯 |
| 高効率給湯器(給湯省エネ2026) | エコキュートで最大14万円(撤去加算含む) | — | 全世帯 |
脱炭素志向型住宅(2025年度のGX志向型住宅に相当)はすべての世帯が対象となります。一方、補助額は2025年度の160万円から110〜125万円へ引き下げられ、2026年から建築地の地域区分(建築物省エネ法)により金額が異なる方式となりました。対象は原則として2025年11月28日以降に基礎工事に着手した住宅で、交付申請前に施工事業者の登録が必要です。リフォームは開口部・躯体の断熱改修、エコ住宅設備の設置などを組み合わせて最大100万円が補助されます。
申請期限と予算上限に注意
みらいエコ住宅2026事業の交付申請は第1期(2026年5月12日まで)が予算上限到達により終了し、第2期は2026年12月31日までの予定です。ただし予算(総額1,450億円)の上限に達し次第、期限前でも受付が終了します。申請は施工会社が代理で行うのが一般的であるため、早期に施工会社と連携して手続きを進めてください。企業向け補助金①:省エネ・非化石転換補助金(SII)
省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金(省エネ・非化石転換補助金)は、工場・事業場の省エネ化や脱炭素化を支援する経済産業省の主力制度です。補助金の実施機関は一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)です。令和7年度補正予算では(Ⅰ)工場・事業場型、(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型、(Ⅲ)設備単位型(GX設備単位型含む)、(Ⅳ)エネルギー需要最適化型の4類型で実施され、工場・事業場型には4者以上の連携を対象とする「サプライチェーン連携枠」が新設されました。
| 事業類型 | 補助率 | 補助上限 | 主な要件 |
|---|---|---|---|
| 工場・事業場型(中小企業) | 1/2 | 15億円 | 省エネ設備更新 |
| 工場・事業場型(大企業) | 1/3 | 15億円 | 省エネ設備更新 |
| 電化・脱炭素燃転型 | 1/2 | 3億円(電化を伴う場合5億円) | 燃料転換・電化設備 |
| 設備単位型(従来枠) | 1/3 | 1億円 | 高効率空調・LED等の個別設備更新 |
| エネルギー需要最適化型 | 中小1/2・大企業1/3 | 1億円 | EMS導入 |
2026年度からは水素対応設備の改造・新設が新たに補助対象に加わり、設備単位型のトップ性能枠では設備の新設も対象範囲に追加されました。申請にあたっては、導入設備がどれだけエネルギー効率を向上させるかを具体的な数値で示すことが審査通過の鍵となります。
令和7年度補正予算分の1次公募は2026年4月27日で終了し、2次公募が2026年6月1日〜7月9日で受付中です(2026年6月時点)。3次公募の日程は詳細決定次第SIIホームページで公表される予定のため、申請に向けた準備は公募開始の3〜6ヶ月前から開始することが推奨されます。 省エネ補助金を検索する
企業向け補助金②:SHIFT事業(環境省)
SHIFT事業は、環境省が実施する工場・事業場単位でのCO₂排出削減を支援する制度です。令和8年度は「脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業」として、DXシステムを用いたCO₂削減計画の策定・実行支援(DX型CO2削減対策実行支援事業)と、計画に基づく設備更新支援(省CO2型システムへの改修支援事業)の組み合わせで継続しています。電化・燃料転換・熱回収等の取組によってCO₂排出量を大幅に削減する設備導入が対象です。
主要要件と補助内容
- CO₂削減率:工場・事業場単位で15%以上、または主要システム系統単位で30%以上
- 補助率:1/3
- 補助上限:1億円または5億円(取組内容により異なる)
- 最大補助額(電化・燃料転換等の大規模取組):5億円
- 費用対効果:10万円/t-CO₂以下であること
- 投資回収年数:3年以上であること
- CO₂削減計画書の提出が必須
DX型CO₂削減対策実行支援
2025年度からDX型CO₂削減対策実行支援事業が拡充され、DX要素の導入が申請要件として明記されました。環境省に登録されたDX支援機関の支援を受けることが必要となり、補助上限額は従来の100万円から200万円へ引き上げられています。令和8年度の支援機関公募は2026年2〜3月に実施済みで、事業者向け公募の最新日程はSHIFT事業公式サイトで確認してください。
加点措置の活用
SHIFT事業では省エネ診断などの加点措置が設けられています。加点措置を活用することで採択される可能性が高まります。申請前に加点対象となる診断や認証の取得状況を確認してください。企業向け補助金③:ものづくり補助金(グリーン枠は廃止)
ものづくり補助金にはかつて温室効果ガス削減に取り組む事業者向けの「グリーン枠」が設けられていましたが、現在は廃止されています。直近の第23次公募(2026年5月8日締切・受付終了)は「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2枠構成で、省エネ性能の高い設備導入や環境配慮型の製品開発もこれらの枠で申請できます。採択発表は2026年8月上旬頃の予定です。
| 申請枠(第23次) | 補助上限 | 補助率 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| 製品・サービス高付加価値化枠 | 750万〜2,500万円(従業員規模別。大幅賃上げ特例で最大3,500万円) | 1/2(小規模・再生事業者は2/3) | 革新的な製品・サービス開発 |
| グローバル枠 | 100万〜3,000万円(特例適用時最大4,000万円) | 1/2(小規模・再生事業者は2/3) | 海外事業を伴う設備投資等 |
直近で採択結果が公表された第22次公募(2026年4月30日公表)は応募1,552者・採択582者で採択率約37.5%でした。採択を得るためには設備選定・省エネ効果の精緻な算出が求められます。
2026年度はものづくり補助金と新事業進出補助金を統合した「新事業進出・ものづくり補助金」への再編が予定されており、第1回公募は2026年夏頃の受付開始が見込まれています。最新の公募情報は公式サイトで確認してください。 ものづくり補助金の詳細を検索する
GXサプライチェーン構築支援事業と関連支援制度
GXサプライチェーン構築支援事業は、水電解装置・浮体式等洋上風力発電設備・ペロブスカイト太陽電池・燃料電池等の生産に係る設備投資等を対象とした経済産業省の制度です。GX関連製品の国内製造基盤確立を目的としており、補助率は原則として大企業1/3以内・中小企業等1/2以内、補助額は個別審査となります。令和7年度補正予算分は2026年版の公募サイトで受付が行われています。
その他の関連支援制度
- ESGリース促進事業:脱炭素機器をリースで導入した際のリース料を補助。熱源設備・空調設備・工作機械・医療画像機器など多様な機器が対象。
- 新事業進出補助金:事業再構築補助金(第13回公募で新規受付終了)の後継的な制度。環境配慮型ビジネスへの進出にも活用可能で、第4回公募(2026年6月19日締切)が現行制度として最終の公募とされる。
- 中小企業省力化投資補助金:人手不足解消と省エネを組み合わせた設備導入を支援。一般型は第7回公募が2026年6月5日に開始、カタログ注文型は2027年3月末頃まで随時受付。
- 自治体補助金:再生可能エネルギー設備導入やバリューチェーン全体のCO₂削減を支援する各自治体独自の制度が存在。
税制優遇とJ-クレジットの活用
補助金と組み合わせて活用できる制度として、設備投資に伴う法人税負担を軽減する税制優遇と、削減しきれない排出量をオフセットするJ-クレジット制度があります。利益を確保している企業にとって税制優遇は補助金と二重の支援効果をもたらします。
申請フロー・スケジュール
補助金の種別によって申請主体・手続きが異なりますが、共通する基本的なフローは以下のとおりです。
- 公募要領・交付申請の手引きの確認:補助金の全体像・申請要件・スケジュールを把握する。企業向け補助金は例年4月頃に公募情報が公開される。
- 自社の対象確認と類型選定:業種・規模・直近2期の財務状況(連続債務超過でないこと)を確認し、最適な申請類型を選定する。
- 設備選定と省エネ効果の算出:既存設備の稼働条件を踏まえて導入設備を選定し、CO₂削減率・省エネ効果を具体的な数値で算定する。
- 見積取得・補助事業ポータルへのアカウント登録:複数業者から見積を取得し、補助事業ポータルへユーザー登録を行う。
- 申請書類の作成・提出:CO₂削減計画書・省エネ計算書・見積書等を整備して電子申請する。jGrantsを経由する制度もある。
- 採択・交付決定後に事業着手:補助金は事業実施後の交付のため、一旦必要資金を自己負担で用意する必要がある。
- 実績報告・事業化状況報告:事業完了後に実績報告を提出し、その後も毎年の事業化状況報告が数年間義務付けられる。
交付前着工は補助対象外
補助金の交付決定前に着工・発注・契約を行った場合、原則として補助対象外となります。必ず交付決定通知を受領した後に事業に着手してください。住宅系補助金は着工要件が異なる場合があるため、個別の公募要領を必ず確認してください。書類保管義務(5年間)
補助事業に関する見積書・契約書・請求書・帳簿等の書類は、事業完了後も5年間の保管が義務付けられています。デジタル保管する場合も証憑の原本性が求められます。採択率・実績と申請強化のポイント
各制度の採択率は申請内容の精度に大きく左右されます。ものづくり補助金は直近の第22次公募で採択率約37.5%(応募1,552者・採択582者)でした。省エネ補助金(SII)では令和6年度補正の設備単位型で6割を超える採択率が出た公募回もありますが、いずれも設備選定と省エネ効果算出の精緻な準備が求められます。
採択率を高める主要ポイント
- 省エネ効果の定量化:導入設備による削減量をkWh・t-CO₂単位で具体的に算出する。根拠となる計算式・データも明示する。
- 加点措置の活用:省エネ診断の受診、SBT認定、RE100参加など、各制度が設ける加点要件を事前確認して積極的に取得する。
- 申請書類の正確性:不備があると審査不通過となるため、提出前に専門家(中小企業診断士・省エネ専門家等)によるチェックを受けることが有効。
- 費用対効果の明示:SHIFT事業では費用対効果10万円/t-CO₂以下・投資回収年数3年以上が要件。数値根拠を明確にする。
- 早期着手:公募開始から申請締切まで数週間〜数ヶ月の場合が多い。公募前から設備選定・見積取得を進めておく。
支援機関への相談はミラサポplus(中小企業庁)やJ-Net21(中小企業基盤整備機構)から無料で受けられます。
2026年度の主な改訂・変更事項
2025年度から2026年度にかけて、グリーン補助金は複数の重要な見直しが行われています。
| 制度・項目 | 2025年度 | 2026年度 |
|---|---|---|
| 住宅の新築支援事業 | 子育てグリーン住宅支援事業 | みらいエコ住宅2026事業へ再編 |
| GX志向型(脱炭素志向型)住宅の補助額 | 160万円 | 110〜125万円(地域区分別)に減額 |
| ZEH水準住宅の補助額 | 40〜60万円 | 35〜40万円(子育て・若者夫婦世帯限定) |
| 省エネ補助金(SII)の枠構成 | 3類型中心 | サプライチェーン連携枠・GX設備単位型を新設、水素対応設備を対象化 |
| SHIFT事業DX型補助上限 | 200万円(DX要件追加) | 令和8年度も継続 |
| ものづくり補助金 | 第22〜23次公募(2枠構成) | 「新事業進出・ものづくり補助金」への統合再編を予定 |
複数制度の組み合わせ活用が可能
補助金と税制優遇(カーボンニュートラル投資促進税制等)は原則として重複適用できます。また、省エネ補助金で設備導入後にJ-クレジットとして排出削減量を認証・売却することも可能です。自社の投資計画に応じて最適な組み合わせを検討してください。2026年度グリーン補助金 活用のポイント
- ・ 住宅向け新築支援は「みらいエコ住宅2026事業」(予算1,450億円)へ再編。予算上限到達で早期終了するため早めの申請が重要。
- ・ 脱炭素志向型(GX志向型)住宅は最大125万円(地域区分1〜4。その他は110万円)。全世帯が対象だが2025年度の160万円から減額。
- ・ 企業向け省エネ補助金(SII)は工場・事業場型で補助率1/2(中小企業)・上限15億円。2次公募は2026年7月9日締切。
- ・ SHIFT事業はCO₂削減率15%以上(工場・事業場単位)または30%以上(主要システム単位)の達成が必須要件。
- ・ ものづくり補助金のグリーン枠は廃止済み。第23次は2枠構成で受付終了、2026年度は「新事業進出・ものづくり補助金」へ統合予定。
- ・ DX型SHIFT事業は補助上限200万円。DX支援機関の関与が申請要件。
- ・ 補助金交付は事業完了後のため、一時的な自己資金の確保が必要。書類は完了後5年間保管義務あり。
- ・ 採択率向上には省エネ診断等の加点措置の活用と、申請3〜6ヶ月前からの早期準備が重要。
- ・ 補助金・税制優遇・J-クレジットの組み合わせにより複合的な財務メリットを得られる。
参考情報
本記事は以下の公式情報源をもとに作成しています。制度の詳細・最新情報は各公式サイトで確認してください。
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