テレワーク・リモートワーク導入で使える補助金・助成金|通信費・機器購入支援ガイド
テレワーク導入には、通信環境の整備・PC等の機器購入・セキュリティ対策など、まとまった初期費用がかかります。国と地方自治体はこれらの費用を支援する補助金・助成金を複数設けており、うまく活用すれば自己負担を大幅に抑えることが可能です。本ガイドでは2025〜2026年度の最新情報をもとに、主要な制度の概要・補助額・申請フロー・採択のポイントを整理します。
主要な補助金・助成金 一覧
テレワーク導入を支援する制度は、厚生労働省・経済産業省・東京都など複数の機関が個別に設けています。まず全体像を把握するため、代表的な3制度を比較します。
| 制度名 | 管轄 | 主な対象 | 最大補助額 |
|---|---|---|---|
| 人材確保等支援助成金(テレワークコース) | 厚生労働省 | 中小企業事業主 | 合計30万円(段階受給) |
| IT導入補助金2025(通常枠) | 経済産業省 | 中小企業・小規模事業者 | 450万円(補助率1/2〜2/3) |
| テレワークトータルサポート助成金 | 東京都 | 都内中堅・中小企業(2〜999人) | 150万円〜(助成率2/3、規模により加算) |
人材確保等支援助成金(テレワークコース)
厚生労働省が所管する助成金で、適切な労務管理のもとでテレワーク制度を導入・実施した中小企業事業主が対象です。すでに試行的に導入している事業主や、導入済みで実施を拡大する事業主も申請できます。
対象要件
- 労働者災害補償保険の適用事業主である中小企業事業主
- テレワークを新規導入、試行的に導入中、または継続活用している事業主
- 就業規則にテレワーク制度を記載すること
助成額の内訳
| 助成区分 | 助成率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 機器等導入助成 | 対象経費の30% | 1企業100万円 または 1人あたり20万円(低い方) |
| 目標達成助成 | 対象経費の20%(生産性要件充足時35%) | 1企業100万円 または 1人あたり20万円(低い方) |
令和7年度の改正により、テレワーク制度を就業規則に記載して導入・拡大すると20万円、その後テレワークにより離職率が低下するなど所定の条件を満たした場合に追加10万円、合計30万円を受給できる仕組みになっています。
令和7年4月改正:事前計画の提出が不要に
令和7年4月1日より、従来必須だったテレワーク実施計画の事前提出・認定が不要となりました。支給要件・様式も同日付で改正されています。最新の公募要領は厚生労働省の公式ページで確認してください。IT導入補助金2025(通常枠)
経済産業省が所管し、中小企業・小規模事業者のデジタル化を支援する補助金です。ソフトウェア購入費・クラウド利用費(最大2年分)・導入関連費が補助対象となり、テレワーク用ツールの導入にも活用できます。
補助額・補助率
| 補助額の区分 | 必要プロセス数 | 補助率 |
|---|---|---|
| 5万円以上150万円未満 | 1プロセス以上 | 1/2以内(※条件次第で2/3) |
| 150万円以上450万円以下 | 4プロセス以上 | 1/2以内(※条件次第で2/3) |
3ヶ月以上・地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員の30%以上を占める事業者は、補助率の上限が2/3に引き上げられます。
採択率の実績
直近の第7次公募では全体採択率43.6%(前回42.5%)。通常枠に限ると37.9%(前回35.5%)と他の枠より低く、申請内容の質が採否を分けます。
申請フロー
- 「みらデジ経営チェック」を実施する
- IT導入支援事業者とマッチングし、対象ITツールを選定する
- 交付申請を行う
- 補助事業を実施する
- 事業実績報告を提出する
- 補助金交付手続きを完了する
登録ツール以外は補助対象外
IT導入補助金では、「IT導入支援事業者」を通じて登録されたITツール以外は補助対象になりません。先にツールを購入・契約した場合も補助対象外となるため、必ず交付申請の採択後に契約・発注してください。2026年度からは制度名称が「デジタル化・AI導入補助金」へ変更予定です。AIを活用した業務変革につながる取り組みがより重視される制度設計に移行する見込みです。
テレワークトータルサポート助成金(東京都・令和7年度新設)
東京都が令和7年度(2025年度)から新たに設置した助成金です。助成金の交付だけでなく、専門家による無料相談・コンサルティング・ICT専門家の派遣(最大12回)をセットで受けられる総合的なサポート体制が特徴です。
対象要件
- 常時雇用する労働者が2人以上999人以下
- 都内に本社または事業所を置く中堅・中小企業等
- 東京都が実施する「テレワーク相談窓口」を利用していること
助成額
| 企業規模 | 最大助成額 | 助成率 |
|---|---|---|
| 2〜29人 | 最大150万円 | 2/3 |
| 30人以上 | 150万円超(規模により加算) | 2/3 |
申請受付期間(2025年度実績)
令和7年6月10日(火)〜令和8年2月27日(金)。郵送またはjGrants(電子申請システム)で申請できます。まず「テレワーク相談窓口」を利用してから申請手続きに入る点に注意が必要です。
その他の関連支援制度
上記3制度以外にも、テレワーク導入・定着に活用できる支援制度が存在します。
国の関連制度
- 両立支援等助成金「柔軟な働き方選択制度等支援コース」(厚生労働省):育児・介護との両立を支援する柔軟な働き方選択制度を複数導入した場合に受給できる助成金。テレワーク制度の導入も対象。
- テレワークマネージャー相談事業(総務省):テレワーク導入を検討中の企業向けに、専門家によるコンサルティングを無料で提供する制度。
地方自治体の独自制度
都道府県・市区町村が独自の助成制度を設けているケースがあります。主な例は以下の通りです。
| 自治体 | 制度の概要 |
|---|---|
| 品川区(東京都) | テレワーク導入等の雇用環境整備にかかったコンサルティング費用を助成 |
| 足立区(東京都) | IT・IoT導入費用の補助。補助対象経費の3分の2を支援 |
| 大阪府・神奈川県・名古屋市 等 | 各自治体が独自の補助制度を設けている(詳細は各自治体の公式サイトを参照) |
居住・事業所の自治体が独自制度を持っているか確認するには、補助金検索を活用するか、各自治体の産業振興担当窓口に問い合わせるのが確実です。
申請のコツと失敗事例
採択率を高めるためには、審査でよく指摘される失敗パターンを事前に把握しておくことが重要です。
よくある不採択パターン
| 失敗パターン | 対策 |
|---|---|
| 業務内容とテレワークの適合性が低く、実効性がないと判断された | どの業務・職種でテレワークを行うか具体的に明示する |
| 勤怠ログや稼働記録など客観的証拠が不足していた | テレワーク実施記録を週単位で整備し、第三者が確認できる状態を保つ |
| IT導入補助金で登録外のツールを導入・申請した | IT導入支援事業者経由で登録済みツールのみを対象とする |
| 事業計画の数値根拠が不明確で費用対効果を説明できていない | 生産性向上・売上増加の見込みを具体的な数値で記載する |
| PDFファイル名の形式違い・gBizID情報の不一致などの形式不備 | 公募要領の形式要件を提出前にチェックリストで確認する |
不正受給・虚偽申請は厳禁
「自己負担なしで助成金を受給できる」などの電話勧誘・セールスは虚偽の可能性が高く、注意が必要です。不当な価格設定や虚偽申請が発覚した場合、助成金支給決定の取消・違約加算金付きの返還請求に加え、刑事罰の対象となることがあります。まとめ:テレワーク補助金活用の要点
- • 国の主要制度は「人材確保等支援助成金(厚労省)」「IT導入補助金2025(経産省)」の2本柱。東京都内の企業は「テレワークトータルサポート助成金」も加えた3制度が選択肢となる。
- • 人材確保等支援助成金は令和7年4月の改正で事前計画の提出が不要となり、申請手続きが簡略化された。テレワーク制度の就業規則記載を起点に最大30万円を段階受給できる。
- • IT導入補助金2025の通常枠は補助率1/2〜2/3(最大450万円)だが、第7次公募の採択率は37.9%。事業計画の具体性と数値根拠が採否を分ける。
- • 東京都のテレワークトータルサポート助成金は令和7年度新設で、専門家派遣(最大12回)と助成金(最大150万円〜)がセットになっており、初めて導入する企業に特に有効。
- • IT導入補助金は「登録済みITツール以外は補助対象外」という厳格なルールがある。必ず採択後に契約・発注する。
- • 品川区・足立区など市区町村独自の制度もあるため、事業所所在地の自治体を個別に確認する。
- • 2026年度にはIT導入補助金が「デジタル化・AI導入補助金」へ名称変更予定。AI活用を重視する制度に移行する見込みのため、中長期の投資計画に織り込んでおくことが重要。
参考情報
本記事は以下の公式情報源をもとに作成しています。制度の詳細や最新の公募要項は各機関の公式サイトでご確認ください。
- 厚生労働省「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」 公式ページ
- 経済産業省「IT導入補助金2025」 公式ページ
- 東京都「テレワークトータルサポート助成金」(東京しごと財団) 公式ページ
- 東京都「テレワークトータルサポート事業」 公式ページ
- 日本テレワーク協会(助成金情報) 公式ページ
- jGrants(電子申請システム) 公式ページ
最終更新日:2026年3月28日
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