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事業拡大・多店舗展開で使える補助金・助成金|チェーン店舗出店・フランチャイズ対応

2店舗目、3店舗目の出店を検討する際、設備投資や販路開拓にかかるコストは経営上の大きな負担となる。しかし、2026年度も中小企業・小規模事業者向けに複数の補助金制度が整備されており、多店舗展開やフランチャイズ加盟店の出店費用に活用できるものが存在する。本記事では、補助上限額・補助率・採択率・申請スケジュールをデータとともに整理し、自社の課題に合った制度選択の指針を示す。

2026年度に活用できる主要補助金の全体像

2026年度は制度改編が相次いでおり、「ものづくり補助金」と「中小企業新事業進出補助金」が統合され「新事業進出・ものづくり補助金」として一本化される見通しとなっている。また、IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」に衣替えし、2026年3月30日より申請受付が開始された。

多店舗展開・フランチャイズ展開に直接活用できる主要制度は以下のとおり。制度選択の基本は「制度名」ではなく「自社のボトルネック」を起点に行うことが重要である。

補助金名 主な活用場面 補助上限 補助率
小規模事業者持続化補助金 販路開拓・店舗改装 最大250万円 2/3(最大3/4)
中小企業新事業進出補助金 新業態・新市場への進出 最大9,000万円 1/2
中小企業省力化投資補助金 省力化設備・人手不足対策 最大1億円(一般型) 中小1/2・小規模2/3
ものづくり補助金 設備投資・新サービス開発 最大4,000万円 1/2・2/3
デジタル化・AI導入補助金 店舗管理・業務効率化 制度による 制度による
事業承継・M&A補助金 既存店舗の取得による拡大 制度による 制度による

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小規模事業者持続化補助金|フランチャイズ加盟店も対象

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や店舗改装など多岐にわたる経費を補助する制度であり、フランチャイズ加盟店も申請対象に含まれる。飲食店・コンビニ・中古品買取販売店のほか、ハウスクリーニングやリペアサービスなど無店舗型のフランチャイズ運営も対象となる。

対象要件

  • 小規模事業者であること(飲食業の場合、常時使用する従業員数が5人以下)
  • 資本金または出資金5億円以上の法人に100%株式保有されていないこと
  • 直近過去3年の課税所得年平均が15億円以下であること
  • 2026年度の地域別最低賃金を下回っている場合も、賃上げ要件の門戸が広げられた

補助額・補助率

  • 通常枠:上限50万円、補助率2/3
  • インボイス特例・賃金引上げ特例等の組み合わせで最大250万円まで拡大
  • 条件を満たす場合の補助率:最大3/4

採択率の実績

第17回公募(一般型・通常枠)の採択率は51.0%(前回37.2%から大幅上昇)。創業型第1回公募は37.9%と厳しい結果となっており、申請の質が採否を左右する。

フランチャイズ申請時の注意事項

フランチャイズ本部へ支払う加盟料・ロイヤリティ・本部が制作する広告物は補助対象外。本部との取引に係る経費はすべて対象外となる。また、ロゴ使用や事業計画の内容について本部の確認・許可が必要な場合があるため、申請前に本部との調整を済ませておくこと。

中小企業新事業進出補助金|新業態・多店舗モデル構築向け

既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援する制度。事業者にとって「新製品・サービスを新規顧客に提供する新しい挑戦」であることが要件となる。多店舗展開において新業態フォーマットを別立てで展開するケースなどに適合する。

なお、本補助金は第4回公募が最終回となる見込みで、その後「新事業進出・ものづくり補助金」として統合・再編される予定である。申請を検討する場合は経済産業省の最新情報を随時確認すること。

従業員規模 通常補助上限 大幅賃上げ特例時
20人以下 2,500万円 3,000万円
21〜50人 4,000万円 5,000万円
51〜100人 5,500万円 7,000万円
101人以上 7,000万円 9,000万円

補助下限額は750万円、補助率は1/2。小規模事業者持続化補助金と異なり、ある程度の自己負担額と事業規模が前提となる制度設計となっている。

中小企業省力化投資補助金|多店舗の人手不足解消に

店舗数が増えるほど深刻化するのが人材調達コストと業務負荷の分散問題である。中小企業省力化投資補助金は、省力化設備の導入によって人材依存型の店舗運営からの脱却を支援する制度として機能する。

令和7年度より「一般型」が新設され、より幅広い中小企業者が活用しやすい制度となった。一般型の補助上限は最大1億円で、補助率は中小企業が1/2、小規模・再生事業者が2/3。大幅賃上げ特例(事業終了時に給与支給総額+6%以上かつ事業場内最低賃金+45円以上)を満たすと補助上限額がさらに引き上げられる。

2026年度の制度変更点

販売店登録にあたり、メーカー(製造事業者)からの招待が不要となり、事務局ホームページから直接登録できるよう変更された。また、販売店の販売実績に基づいて補助上限額が登録される仕組みに改められている。

課題別・補助金選択フレームワーク

多店舗展開において複数の補助金を並列に検討する際、制度名を起点にするのではなく、自社経営のボトルネックを起点に制度を絞り込む方が実効性が高い。以下のフレームワークを参考に制度を選択する。

自社の課題・ボトルネック 適合する補助金 主な対象経費
販路開拓・新規顧客獲得 小規模事業者持続化補助金 広告費・店舗改装費・展示会出展
新業態・新収益モデルの構築 中小企業新事業進出補助金 設備投資・システム開発
店舗管理の複雑化・DX対応 デジタル化・AI導入補助金 POSシステム・在庫管理ツール
スケール可能な供給体制整備 ものづくり補助金 製造設備・試作開発
多店舗における人手不足 中小企業省力化投資補助金 自動化設備・省力化機器
出店ではなく既存店取得による拡大 事業承継・M&A補助金 M&A仲介費・デューデリジェンス費用

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申請フローと2026年度スケジュール

各補助金の申請には電子申請システム「jGrants」を利用するため、GビズIDプライムの事前取得が必要となる。GビズIDの発行には通常2〜3週間を要するため、申請締切直前の取得申請では間に合わないケースがある。

申請準備の基本ステップ

  1. GビズIDプライムの取得申請(締切の4〜6週間前を目安に)
  2. 商工会・商工会議所への相談(小規模事業者持続化補助金の場合、事業支援機関確認書の発行が必須)
  3. 事業計画書の策定(公募要領の参考様式をWordで作成後、WEBフォームへ転記)
  4. 必要書類の収集・確認(証拠書類は事業実施中から保管、5年間の保存義務に対応)
  5. 電子申請の実施

2026年度の主なスケジュール

  • デジタル化・AI導入補助金:2026年3月30日より申請受付開始、年6〜7回の締切を予定(第4次締切:2026年8月25日)
  • 小規模事業者持続化補助金:2026年9月1日から本格受付開始、11月末締切の前倒しスケジュールが検討中
  • 中小企業新事業進出補助金:第4回公募が最終回となる見込み(詳細は中小企業庁公式サイトを確認)

小規模事業者持続化補助金の締切に関する注意

申請締切日と「事業支援機関確認書(様式4)」の発行受付締切は別日程に設定されている。2026年度の場合、申請締切が4月30日に対し、様式4の発行受付締切は4月26日(参考:前年度実績)。商工会・商工会議所への相談は最低でも申請締切の2週間前までに完了させること。

採択率と審査で重視されるポイント

各補助金の採択率は制度・回次によって大きく異なる。申請数の増加と審査要件の厳格化が重なり、近年は採択率が低下傾向にある制度も見られる。

補助金 直近採択率 備考
小規模事業者持続化補助金(一般型通常枠) 51.0%(第17回) 前回37.2%から上昇
小規模事業者持続化補助金(創業型) 37.9%(第1回) 競争率が高い
ものづくり補助金 35.8%(第18次) 例年30〜60%の幅あり、近年低下傾向

審査で評価される主要ポイント

  • 自社分析の妥当性:自社の製品・サービスや強みを適切に把握・整理できているか
  • 経営方針との整合性:今後のプランが自社の強みおよび対象市場の特性を踏まえているか
  • 事業計画の実現可能性:補助事業計画が具体的かつ実現可能な内容になっているか
  • 数値目標の明確化:補助事業実施後の売上・コスト・雇用等の定量目標が明示されているか

採択率向上のための実践的アドバイス

各補助金の公式サイトには過去の採択事例が公開されている。申請前に自社の業種・規模・事業内容に近い採択事例を複数参照し、事業計画書の方向性・記述水準のベンチマークとして活用することが有効である。よろず支援拠点(無料)や商工会議所の経営相談を活用して計画書のレビューを受けることも採択率向上に寄与する。

地域別補助金・その他の関連支援制度

国の補助金に加え、都道府県・市区町村レベルの補助金・助成金も存在する。特に東京都内での出店を検討する場合、以下の制度が参考になる。

  • 東京都中小企業振興公社 創業助成事業: 都内で創業予定の個人または創業後5年未満の中小企業者が対象。上限400万円・下限100万円、助成率2/3以内。
  • 商店街出店支援(都内): 実店舗を持たないことが条件のケースもあるが、工事費・設備導入費に加えて一定期間の賃料が補助対象に含まれる制度も存在する。
  • 地方創生 起業支援金: 地域で新たに事業を立ち上げる場合に事業費の1/2(最大200万円)を助成。
  • 地方創生 移住支援金: 都市部から地方への移住・就業者向け。世帯100万円・単身60万円が国の基準上限。

地域ごとの制度は各都道府県・市区町村の産業振興部門や、中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する補助金活用ナビで確認できる。 地域別の補助金情報を検索する

2025〜2026年度の主要な制度改編まとめ

申請を検討する前に、2025〜2026年度にかけての主要な制度変更を把握しておく必要がある。

変更内容 詳細
ものづくり補助金+新事業進出補助金の統合 「新事業進出・ものづくり補助金」として一本化予定。新事業進出補助金は第4回公募が最終回。
IT導入補助金→デジタル化・AI導入補助金 2026年3月30日より新名称で受付開始。基本的な仕組みは継続。
中小企業省力化投資補助金の一般型新設 令和7年度より一般型が追加。販売店登録がメーカー招待不要に変更。
小規模事業者持続化補助金の賃上げ要件緩和 2026年度の地域別最低賃金以下の事業場も賃上げ特例の対象となるよう門戸拡大。

統合・廃止予定制度への注意

中小企業新事業進出補助金は第4回公募が最終回となる見込みであり、統合後の「新事業進出・ものづくり補助金」との制度詳細は公募開始まで確定しない。現行制度での申請を検討する場合は、中小企業庁(https://www.chusho.meti.go.jp/)の最新情報を必ず確認すること。

まとめ|多店舗展開における補助金活用のポイント

  • ・フランチャイズ加盟店を含む小規模事業者は「小規模事業者持続化補助金」(最大250万円・補助率最大3/4)から優先検討する
  • ・新業態・新市場への進出を伴う多店舗展開には「中小企業新事業進出補助金」(最大9,000万円・補助率1/2)が適合するが、第4回公募が最終回の見込み
  • ・多店舗化に伴う人手不足対策には「中小企業省力化投資補助金」一般型(最大1億円)が有効
  • ・店舗管理のデジタル化・DX対応には「デジタル化・AI導入補助金」(2026年3月30日受付開始)を活用する
  • ・フランチャイズ本部への支払い(加盟料・ロイヤリティ・本部制作広告物)は補助対象外となる点に留意
  • ・GビズIDプライムの取得に2〜3週間を要するため、申請締切の6週間前を目安に取得申請を行う
  • ・小規模事業者持続化補助金の場合、事業支援機関確認書(様式4)の発行締切は申請締切より早く設定されるため、商工会・商工会議所への相談を先行させること
  • ・補助金選択は制度名ではなく「自社の経営ボトルネック」を起点に行うことが採択率向上の基本
  • ・各公募の採択事例を分析し、事業計画書の水準・方向性のベンチマークとして活用する
  • ・2025〜2026年度は制度統合・改編が相次いでいるため、申請前に各省庁公式サイトで最新情報を確認すること

参考情報

本記事は2026年3月時点の公開情報をもとに作成。制度詳細・公募スケジュールは随時変更されるため、以下の公式情報源で最新情報を確認すること。

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