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リスキリング・職業訓練給付金|教育費支援・転職スキルアップの資金調達ガイド

リスキリング・職業訓練給付金|教育費支援・転職スキルアップの資金調達ガイド

キャリアチェンジやスキルアップを目指す個人・企業向けに、厚生労働省・経済産業省が複数の給付金・助成金制度を整備しています。訓練の種類や対象(個人か企業か)によって制度が異なり、最大で受講費用の80%・最大192万円の給付を受けられるケースもあります。本記事では、制度の種類・補助額・申請フロー・2025〜2026年度の最新改定情報を整理します。

制度の全体像

リスキリング・職業訓練に関連する主な公的支援は、大きく「個人向け給付金」と「企業向け助成金」に分類されます。個人向けの中心は厚生労働省が管轄する教育訓練給付制度で、雇用保険の被保険者(または元被保険者)が対象です。企業向けは人材開発支援助成金が主軸となり、従業員に職業訓練を実施した事業主を支援します。

制度名 対象 最大給付額 管轄
一般教育訓練給付金 個人(雇用保険加入者等) 費用の20%・上限10万円 厚生労働省
特定一般教育訓練給付金 個人(雇用保険加入者等) 費用の40%(資格取得等で最大50%)・上限25万円 厚生労働省
専門実践教育訓練給付金 個人(雇用保険加入者等) 費用の80%・最大192万円(3年間) 厚生労働省
人材開発支援助成金 企業(雇用保険適用事業所) 訓練経費の最大75%+賃金助成 厚生労働省
リスキリングキャリアアップ支援事業 個人(転職希望者等) 最大56万円 経済産業省
求職者支援訓練給付金 個人(雇用保険非加入者等) 月額10万円+交通費 厚生労働省

教育訓練給付金(個人向け)|対象者・給付額

教育訓練給付制度は、訓練の種類・レベルに応じた3段階の給付体系です。共通の受給資格は「雇用保険の被保険者期間が1年(専門実践は2年)以上あること」で、在職中・離職後(離職日翌日から1年以内)いずれも対象となります。パート・アルバイト・派遣社員も一定要件を満たせば受給可能です。

種別 受講中の給付率 資格取得・就職後 賃金5%上昇時 上限額
一般教育訓練 20%(修了後) 10万円
特定一般教育訓練 40%(修了後) 50%(上限25万円) 25万円
専門実践教育訓練 50%(6か月ごと) 70%(年間上限56万円) 80%(年間上限64万円) 最大192万円(3年間)

2025年4月時点で専門実践教育訓練の給付対象講座数は3,220講座、令和7年10月1日現在では全体で約17,000講座が対象となっています。対象講座かどうかは厚生労働省の教育訓練給付制度検索システムで確認できます。

初回受給の特例

初めて教育訓練給付を受給する場合に限り、雇用保険被保険者期間が1年(専門実践は2年)以上あれば、通常要件の3年に満たなくても受給できます。

教育訓練給付金の申請フロー

申請手順は給付の種類によって異なります。特に専門実践教育訓練給付金は受講開始前の手続きが必須で、段階的な申請が必要です。

専門実践教育訓練給付金の場合

  1. 受講開始日の1か月前までに、訓練対応キャリア・コンサルタントによる「訓練前キャリア・コンサルティング」を受け、「ジョブ・カード」を発行する
  2. 管轄のハローワークに事前申請を行う
  3. 訓練を受講開始する
  4. 受講開始から6か月ごとの期間末日から起算して1か月以内に50%給付分をハローワークに申請する
  5. 資格取得・就職要件を満たした場合、追加で70%分の差額を申請する
  6. 賃金が5%以上上昇した場合、さらに80%分の差額を申請する

一般教育訓練給付金の場合

  1. 指定講座を受講・修了する
  2. 修了日の翌日から原則1か月以内に、居住地を管轄するハローワークへ書類を提出する

申請期限の厳守

一般教育訓練給付金の支給申請期限は修了日翌日から1か月以内です。この期限を過ぎると給付を受けられなくなります。専門実践についても6か月ごとの申請期限があるため、スケジュール管理が重要です。

人材開発支援助成金(企業向け)|コース別助成率

人材開発支援助成金は、雇用保険適用事業所が従業員に職業訓練を実施した際に、訓練経費と訓練中の賃金の一部を助成する制度です。2025年度の概算要求額は623億円と大規模で、中小企業を中心に幅広く活用されています。

コース名 経費助成率(中小) 経費助成率(大企業) 賃金助成(中小) 賃金助成(大企業)
人材育成支援コース 70% 30% 800円/時間 400円/時間
人への投資促進コース 75% 60% 1,000円/時間 500円/時間
事業展開等リスキリング支援コース 最大75% 最大75%

事業展開等リスキリング支援コースは、DX(デジタル化)やグリーン化(脱炭素)など新規事業展開に対応するための研修が対象です。人材育成支援コースの「有期実習型訓練」は非正規労働者のみを対象とし、訓練終了後に正社員へ転換することが助成の条件となっています。

企業側の主な受給要件

  • 雇用保険適用事業所であること
  • 職業能力開発計画を策定し、従業員に周知していること
  • 訓練内容が職務に関連し、OFF-JTは10時間以上であること
  • 訓練費用を事業主が全額負担すること
  • 労務管理・法令を順守していること(離職率・不正受給履歴も審査対象)

事前計画届の提出が必須

訓練開始予定日の1か月以上前までに「職業訓練実施計画届」を管轄の労働局に提出する必要があります。訓練開始後の計画申請は一切認められません。2025年度以降は事前審査が廃止され届出制に一本化されましたが、期限前提出の原則は変わりません。

2025〜2026年度の主な制度改定

教育訓練給付制度および人材開発支援助成金は、2024〜2025年度にかけて複数の重要な改定が行われています。

① 教育訓練給付金の給付率引き上げ(2024年10月〜)

専門実践教育訓練給付金は、受講後に賃金が5%以上上昇した場合の上乗せ給付(最大80%・年間上限64万円)が新設されました。特定一般教育訓練給付金についても、資格取得・就職後の給付率が最大50%(上限25万円)へ引き上げられています。

② 教育訓練休暇給付金の新設(2025年10月〜)

2025年10月から新設される制度で、教育訓練に専念するために休暇を取得した場合に、雇用保険の基本手当と同額の給付金が支給されます。給付期間は被保険者期間に応じて90日・120日・150日の3段階です。

③ 教育訓練支援給付金の延長

2027年(令和9年)3月31日までに受講を開始した場合に支給対象となります。2026年度(令和8年度)入学生は卒業まで給付されます。

④ 人材開発支援助成金の賃金助成額引き上げ(2025年4月〜)

昨今の賃金上昇を踏まえ、人材育成支援コース・人への投資促進コース・事業展開等リスキリング支援コースの賃金助成額が引き上げられました。また、3コース共通の申請様式に統一され、添付書類の整理・削減も実施されています。

制度改定への注意

リスキリング関連制度は頻繁に改正されます。申請前には必ず厚生労働省・ハローワークの公式サイトで最新要件を確認してください。本記事は2026年3月時点の情報に基づいています。

関連支援制度|対象者別の活用ポイント

教育訓練給付金・人材開発支援助成金以外にも、対象者の状況に応じた支援制度が存在します。

制度名 主な対象 主な給付内容
求職者支援訓練給付金 雇用保険非加入者・受給期間終了者等 月額10万円+通所手当(上限42,500円)+無料職業訓練
経産省リスキリングキャリアアップ支援事業 転職・キャリアアップ希望者 受講費用の1/2(上限40万円)+転職継続就業で追加1/5(上限16万円)・計最大56万円
DXリスキリング助成金(東京都) 都内中小企業 DX関連訓練(集合・eラーニング)の経費助成
高等職業訓練促進給付金 ひとり親 訓練中:月額10万円(課税世帯70,500円)、最終1年は4万円増額、修了後5万円支給

経産省のリスキリングキャリアアップ支援事業は2025年8月に第六次公募が開始され、デジタルハリウッド・アイデミー・タイミー・テンプスタッフなど多様な事業者が採択されています。雇用保険の加入要件を満たさない方や、転職を前提にスキルアップしたい方にとって活用しやすい制度です。

組み合わせ活用の検討

雇用保険加入中の在職者であれば、教育訓練給付金を利用しながら、企業側では人材開発支援助成金を申請するケースもあります。個人・企業双方の制度を確認し、重複受給の可否を事前にハローワークへ確認することを推奨します。

申請時の主な注意点

各制度に共通する注意点と、申請で失敗しやすいポイントを整理します。

個人向け:教育訓練給付金

  • 受講する講座が給付対象指定講座かどうかを、厚生労働省の検索システムで事前に確認する
  • 専門実践教育訓練は受講開始1か月前までに事前申請が必要(キャリアコンサルティング・ジョブ・カード発行を含む)
  • 一般教育訓練は修了日翌日から1か月以内の申請期限を厳守する
  • 追加給付(70%・80%)は資格取得・就職・賃金上昇の各要件を個別に満たした場合のみ支給される

企業向け:人材開発支援助成金

  • 訓練開始1か月以上前に「職業訓練実施計画届」を労働局へ提出する(電子申請可)
  • 「なぜこの訓練が自社の事業目標達成に必要か」を明確に説明できる論理構成が審査をスムーズにする
  • 「職業能力開発推進者」を選任し、訓練目的・計画を社内で周知しておく
  • 訓練終了日の翌日から2か月以内に多数の書類を揃えて支給申請する必要がある
  • 制度は年度ごとに改正されるため、申請前に最新の様式・要件を労働局またはハローワークで確認する

書類不備・期限超過は支給不可

リスキリング関連の助成金・給付金は要件が細かく、期限管理と書類準備が審査の鍵です。特に企業向けの人材開発支援助成金は「訓練前の計画届」と「訓練後の支給申請」の両方に期限があります。社会保険労務士等の専門家への相談も有効な選択肢です。

まとめ

  • ・ 教育訓練給付制度は「一般・特定一般・専門実践」の3種類。専門実践は最大80%・最大192万円(3年間)の給付が受けられる
  • ・ 個人の受給要件は「雇用保険被保険者期間1年(専門実践は2年)以上」。パート・派遣社員も要件を満たせば対象
  • ・ 専門実践教育訓練給付金は受講開始1か月前までの事前申請(キャリアコンサルティング含む)が必須
  • ・ 企業向け人材開発支援助成金は中小企業で最大75%の経費助成。2025年度から賃金助成額が引き上げられ、申請様式も共通化された
  • ・ 2025年10月から「教育訓練休暇給付金」が新設。基本手当と同額の給付金を受けながら訓練に専念できる
  • ・ 経産省のリスキリングキャリアアップ支援事業(最大56万円)や求職者支援訓練給付金(月10万円)など、状況に応じた併用・代替制度も存在する
  • ・ 制度は頻繁に改正されるため、申請前に必ず厚生労働省・ハローワーク等の公式サイトで最新情報を確認する

参考情報

※本記事は2026年3月時点の情報に基づいています。制度の詳細・最新情報は各公式サイトで必ず確認してください。

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