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省エネ補助金(省エネルギー投資促進支援事業費補助金)完全ガイド【2026年版】

省エネ補助金とは?補助率・対象設備・申請フローを解説

省エネルギー投資促進支援事業費補助金は、工場・事業場における省エネ性能の高い設備・機器への更新費用を支援する経済産業省(資源エネルギー庁)の補助制度です。執行団体は一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)が担当し、高効率空調・産業用モータ・変圧器など幅広い設備が対象となります。令和7年度補正予算は国庫債務負担行為を含め最大300億円規模が措置されており、2026年3月30日より1次公募の受付開始が予告されています。

制度概要・構成

本事業は正式には「省エネ・非化石転換補助金」とも呼ばれ、2つの補助金で構成されています。「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」がⅠ型(工場・事業場型)・Ⅱ型(電化・脱炭素燃転型)を担い、「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」がⅢ型(設備単位型)を担います。Ⅳ型(エネルギー需要最適化型)は両補助金に設けられており、Ⅰ〜Ⅲ型と組み合わせて活用できます。

区分名 主な対象
Ⅰ型 工場・事業場型 先進設備・オーダーメイド設備・指定設備の導入
Ⅱ型 電化・脱炭素燃転型 電化・燃料転換設備の更新・新設(2026年より水素対応設備も対象)
Ⅲ型 設備単位型 SIIが定める指定設備リストへの更新
Ⅳ型 エネルギー需要最適化型 EMS(エネルギー管理システム)導入、Ⅰ〜Ⅲ型との組み合わせ可

令和7年度補正予算は125億円(国庫債務負担行為175億円)、令和8年度予算案は50億円が措置されています。本事業の目的は「2030年度エネルギー需給の見通し」の達成への寄与であり、複数年度にまたがる設備導入も可能にすることで中小企業の投資需要を掘り起こすことを狙いとしています。

申請対象者・要件

国内で事業活動を営む法人または個人事業主が対象です。中小企業者(中小企業基本法第2条に規定)のほか、医療法人・社会福祉法人・NPO法人なども申請できます。大企業(みなし大企業を含む)は、省エネ法の事業者クラス分け評価制度における「Sクラス」または「Aクラス」に該当することが追加要件となります。

以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 債務超過でないこと(経営基盤・事業継続性が認められること)
  • 補助対象設備の所有者かつ設置後も継続使用する者(所有者と使用者が異なる場合は共同申請)
  • 経済産業省から補助金交付等停止措置・指名停止措置を受けていないこと
  • 導入設備の省エネルギー効果を報告できること
  • 会計検査院の現地検査に誠実に対応できること
  • 風俗営業等に該当しない事業所であること

設備の基本要件

  • 既存設備を省エネ性能の高い設備へ更新すること(新築・新設の事業所への導入は対象外)
  • 更新前後で設備の使用用途が同じであること
  • 導入予定設備の性能が既存設備を上回り、省エネ化が図れること
  • 兼用設備・将来用設備・予備設備ではないこと

Ⅲ型(設備単位型)の主な対象設備には、高効率空調・産業ヒートポンプ・業務用給湯器・高性能ボイラ・高効率コージェネレーション・変圧器・低炭素工業炉・冷凍冷蔵設備・産業用モータ・工作機械(レーザー加工機等)・射出成形機・プレス機械・印刷機械・ダイカストマシン・調光制御設備などが含まれます。

補助率・補助上限額(令和7年度補正版)

型・申請枠 大企業 補助率 中小企業 補助率 補助上限
Ⅰ型 先進枠 2/3以内 3/4以内 15億円(非化石含む場合20億円)/年度
Ⅰ型 一般枠 1/3以内 1/2以内 15億円(同20億円)/年度
Ⅰ型 中小企業投資促進枠 対象外 1/2以内 15億円(同20億円)/年度
Ⅰ型 SC連携枠 1/3以内 1/2以内 30億円(非化石含む40億円)/事業全体
Ⅱ型(電化・脱炭素燃転型) 更新・改造:1/2 新設:1/5 3億円(電化の場合5億円)
Ⅲ型(設備単位型) 設備費の1/3 1億円
Ⅳ型(エネルギー需要最適化型) 1/3以内 1/2以内 1億円(下限30万円)
先進的省エネルギー投資促進支援事業 3/4以内等 10/10以内 15億円

Ⅰ型先進枠の省エネ要件:申請単位において①省エネ率+非化石割合増加率30%以上、②省エネ量+非化石使用量1,000kl以上、③エネルギー消費原単位改善率15%以上のいずれかを満たすことが必要です。初年度を除き、毎年度100万円の下限額が設定されています。

申請フロー・スケジュール

交付申請から補助金受給までの流れは以下の通りです。交付決定前の発注・契約は補助対象外となるため、必ず交付決定後に発注手続きを行ってください。

  1. STEP1:補助事業ポータルのアカウント登録
  2. STEP2:公募要領・手引き等の確認
  3. STEP3:更新予定の設備・エネマネ事業者の選定(指定設備リストで補助対象設備かを確認)
  4. STEP4:3者以上から見積を取得(事業完了日までの手配可否も確認)
  5. STEP5:交付申請に必要な書類の収集・作成(商業登記簿謄本、エネルギー使用実績書類、省エネ効果計算書、見積書、決算書 等)
  6. STEP6:年間エネルギー量の算出・補助事業ポータルへの設備情報入力
  7. STEP7:ポータルへ必要情報を入力・書類を印刷
  8. STEP8:正本を郵送・副本を手元に保管(交付申請完了)
フェーズ 内容・目安期間
公募期間 約1〜2ヶ月(交付申請書を郵送)
審査期間 約1〜2ヶ月(外部審査委員会による評価)
交付決定後 発注・契約・設備導入・工事実施が可能になる
事業完了 原則1月末までに完了・支払いまで済ませること
実績報告書提出 事業完了から30日以内
補助金交付 確定検査後・年度末(後払い)
成果報告書提出 採択後1〜2年間(省エネ効果の報告)

2026年(令和7年度補正)公募スケジュール

公募回 公募期間(令和6年度補正 参考)
1次公募 2026年3月30日〜(令和6年度補正:2025年3月31日〜4月30日)
2次公募 令和6年度補正実績:2025年6月2日〜7月10日
3次公募 令和6年度補正実績:2025年8月13日〜9月24日

令和5年度補正・令和6年度補正ともに、予算を超える申請があったため3次または4次公募を実施しないケースが発生しています。

採択率・実績データ

Ⅲ型(設備単位型)の採択率は例年50〜60%台で推移していましたが、近年は予算増額を背景に上昇傾向にあります。令和6年度補正1次公募では2,077件の申請に対し1,457件が採択され、採択率は70.1%を記録しました。

年度 公募回 採択率(Ⅲ型 設備単位型)
令和4年度 平均 約50〜60%
令和5年度 1次 68.1%
令和5年度 2次 93.4%
令和6年度補正 1次 70.1%(申請2,077件/採択1,457件)

工場・事業場型(Ⅰ型等)の令和6年度補正1次公募では申請243件に対し採択率88.5%と高水準でした。一方で、採択は先着順ではなく評価項目に基づく点数評価で実施され、予算の範囲内で上位者から採択される仕組みです。

採択率を高めるポイントと注意事項

採択に向けた主なポイント

  • 費用対効果のバランス:省エネ効果が高すぎる案件は「補助金なしで自力対応可能」と判断される場合があります。補助対象経費1,000万円当たりの計画省エネルギー量が審査項目の一つとして見られます。
  • 加点要素の活用:「経営力向上計画」への記載、「経営革新計画」認定、「パートナーシップ構築宣言」登録、2019年度以降の省エネルギー診断受診などが加点対象になります。
  • 省エネ効果の根拠を具体的に示す:設備導入による省エネ量の算出根拠となる書類を具体的に準備する必要があります。稼働時間の実態と乖離した数値を使うと採択後の報告で問題が生じます。
  • 修正対応を前提とした準備:他の補助金と比較して書類への細かい指摘がなされる傾向があります。修正なしでの採択は難しいため、余裕を持ったスケジュール設定が必要です。
  • 1次公募での早期申請:予算超過による打ち切りが毎年発生しているため、公募開始直後の申請が有効です。

絶対に避けるべき失敗

  • 交付決定前の発注・契約:交付決定前に契約・発注した設備は一切補助対象外となります。これが最も多い失敗事例です。
  • 補助金の後払いへの備え:補助金は実績報告・確定検査後の後払いです。事業完了までの資金を自己資金または融資で賄う計画が必要です。
  • 申請期限切れ:施工内容・見積額の調整に時間がかかり公募期間に間に合わないケースが発生しています。対象設備の絞り込みと見積取得は公募開始前から準備を進めてください。
  • 書類不備:必要書類の不足・記入漏れ・誤記入は審査通過の妨げになります。事前にチェックリストで全書類を確認してください。

2026年(令和7年度補正)の主な変更・強化ポイント

2026年3月13日に公募開始予告が発表され、「令和7年度省エネ支援パッケージ」として以下の取り組みが強化・追加されました。

変更点 内容
GXⅢ類型の創設 設備単位型に「トップ性能枠」「メーカー強化枠」が新設。従来の指定設備型と合わせて3つの申請枠に。トップ性能枠はGX要件を満たしメーカーが製造した、普及初期段階の設備が対象。
SC連携枠の新設 サプライチェーン上の4者以上で申請する枠。省エネ要件が優遇される一方、GX要件へのコミットが必要。補助上限は事業全体で30億円(非化石含む場合40億円)。
水素対応設備の解禁 Ⅱ型(電化・脱炭素燃転型)で新たに水素対応設備等も補助対象に追加。工事費も補助対象経費に含まれる。
一部の型で設備「新設」も対象化 従来は既存設備の更新が原則だったが、一部の型で設備の新設に対しても補助対象となった。

関連補助金・支援制度

省エネ・脱炭素化に関連する他の支援制度も合わせて確認することで、より効果的な投資計画を立てられます。

制度名 概要 補助率・支援内容
省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金 先進設備・電化設備・特注品を対象とする本事業の姉妹制度(Ⅰ・Ⅱ型担当) 大企業1/3〜2/3、中小1/2〜3/4
先進的省エネルギー投資促進支援事業 先進性・波及効果の高い設備への投資を支援 中小企業最大10/10、大企業3/4、上限15億円
省エネルギー設備投資利子補給金 省エネ設備導入時に民間金融機関等から融資を受ける事業者への利子補給 利子補給
SHIFT事業(環境省) 工場・事業場での電化・燃料転換・熱改修等によるCO₂大幅削減の取り組みを支援 1/3〜3/4
ZEB普及促進に向けた省エネルギー建築物支援事業(環境省) 省エネビルの実証・普及支援 1/2〜2/3

他にも令和6年度補正の業務産業用蓄電システム導入支援事業、令和7年度の系統用蓄電池・水電解装置導入支援事業なども関連制度として活用できます。 補助金検索で他の制度を探す

まとめ:2026年申請に向けた確認事項

省エネルギー投資促進支援事業費補助金は、高効率空調・変圧器・産業用モータ等の汎用設備更新に最大1億円の補助が受けられる制度です。中小企業は補助率1/3(Ⅲ型)から1/2以上(Ⅰ型各枠)で活用でき、設備の老朽化更新とエネルギーコスト削減を同時に進められます。

  • 公募開始:2026年3月30日(令和7年度補正1次公募)より受付開始予定
  • 指定設備の事前確認:SII補助事業ポータルで補助対象設備リストを確認(アカウント登録も早めに実施)
  • 3社以上の見積取得:Ⅲ型申請の必須要件。公募開始前から設備選定・見積依頼を進めることが重要
  • 資金計画の確認:補助金は後払いのため、事業完了までの自己資金または融資の手当てが必要
  • 交付決定前の発注は絶対NG:交付決定通知書受領後に初めて発注・契約が可能になる
  • 早期申請の優先:過去2年連続で予算超過による公募打ち切りが発生。1次公募での申請を最優先とする

なお、2026年より設備単位型にGXⅢ類型(トップ性能枠・メーカー強化枠)が新設され、水素対応設備の補助対象化、SC連携枠の創設など制度が大幅に拡充されています。公募要領の最終版は必ずSII公式サイト(https://syouenehojyokin.sii.or.jp/)および資源エネルギー庁の公募要領でご確認ください。

参考情報

※ 本記事は2026年3月時点の調査情報をもとに作成しています。制度の詳細・最新情報は必ず上記公式サイトでご確認ください。

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