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学習塾の開業で使える補助金・助成金【2025〜2026年度版】

学習塾の開業で使える補助金・助成金【2025〜2026年度版】

学習塾の開業には一般的に約300万円の資金が必要とされており、物件取得費だけで約90万円、PC・教材等で約100万円、広告費などを加えると高額な初期投資が求められます。開業資金の一部を補助金・助成金で賄えれば、資金負担を大幅に軽減できます。本記事では、学習塾の開業者が実際に活用できる主要5制度を、補助額・要件・申請フロー・採択率の実績データとともに整理します。

※ 本記事は2025年3月時点の情報をもとに作成しています。各制度は随時改定されるため、申請前に必ず公式サイトまたは窓口で最新情報をご確認ください。

活用できる主要5制度の概要

学習塾の開業で活用できる制度は「補助金」「助成金」「融資」の3カテゴリーに大別されます。補助金・助成金は返済不要ですが、審査通過が前提となります。以下の5制度が特に有力な選択肢です。

制度名 種別 管轄 最大支援額
小規模事業者持続化補助金 補助金 経済産業省・中小企業庁 最大250万円
IT導入補助金(2026年度〜デジタル化・AI導入補助金) 補助金 経済産業省 最大450万円
地域雇用開発助成金 助成金 厚生労働省 最大760万円×3回
日本政策金融公庫 創業融資 融資(返済必要) 政策金融機関 最大7,200万円
自治体の創業補助金 補助金 各都道府県・市区町村 制度により異なる

※ 融資は返済が必要な借入制度です。補助金・助成金とは性質が異なります。

① 小規模事業者持続化補助金|最も活用しやすい制度

学習塾をはじめとする教育サービス業では、常時使用する従業員が5人以下の法人・個人事業主が対象です。アルバイト講師など短時間勤務の非常勤講師は「常時使用する従業員」にカウントされないため、対象となる事業者の範囲は広くなっています。

補助額・補助率

申請区分 補助上限 補助率 備考
一般型(通常枠) 50万円 2/3 特例適用で最大250万円
創業型 200万円 2/3 インボイス特例で+50万円(最大250万円)

創業型は開業後1年以内の小規模事業者が対象です。広告費・ホームページ制作費・教室備品購入費などが補助対象経費に該当するケースが多く、開業直後の販路開拓費用として活用できます。一般型は開業3年以降も継続して申請できるため、長期的な活用が可能です。

採択率の実績データ

回次 採択率 採択件数
第14回(2024年3月) 62.4% 8,497件
第15回(2024年6月) 41.8% 5,580件
第16回(2024年8月) 37.2% 2,741件
第17回(2025年9月) 51.0% 11,928件
創業型(第1回・2025年9月) 37.9% 1,473件

過去17回の一般型の平均採択率は約57%で、過半数が採択されています。約3ヶ月に1回のペースで公募が実施されており、不採択でも次回に再挑戦できます。ただし創業型の採択率は37.9%と一般型より厳しい結果が出ています。

申請フロー

  1. GビズIDプライムアカウントを取得する(取得まで数日〜数週間を要するため早期対応が必要)
  2. 商工会または商工会議所に経営相談を申し込む(締切の1〜2か月前が目安)
  3. 経営計画書・補助事業計画書を作成する(作成に20〜30時間程度かかるケースが多い)
  4. 商工会等から「事業支援計画書(様式4)」の発行を受ける
  5. 電子申請システム「Jグランツ」からオンライン申請する
  6. 審査期間(約2〜3か月)を経て採択発表
  7. 交付申請・交付決定後に補助事業を実施し、経費を支払う
  8. 実績報告書・領収書等の証拠書類を提出し、確定検査後に補助金が入金される

重要な注意点

  • 補助金は後払い(事後精算)方式のため、経費は一時的に自己資金で立て替える必要があります
  • 交付決定通知日より前に発注・購入した設備・サービスは補助対象外となります
  • 2025年度以降、採択から交付決定の間に見積書の提出が必須となっています

② IT導入補助金(2026年度〜デジタル化・AI導入補助金)

学習塾の場合、常勤従業員100人以下であれば対象となります。生徒管理システム・LMS(学習管理システム)・オンライン授業プラットフォームなどの導入費用に活用できます。申請には、事前に登録された「IT導入支援事業者」を通じて対象のITツールを選定する必要があり、任意の事業者やツールを自由に選ぶ仕組みではありません。

補助額・補助率

区分 補助額 補助率
通常枠(プロセス1〜3) 5万円〜150万円未満 1/2以内
通常枠(プロセス4以上) 150万円〜450万円 1/2以内
インボイス枠 最大350万円 2/3〜4/5(小規模事業者は4/5)

2026年度の主な変更点

  • 制度名称が「デジタル化・AI導入補助金」へ変更
  • 生成AI・機械学習・自動化機能を備えたツールが制度上で明確に区分される
  • 3年間の事業計画(売上・生産性向上・DX推進の数値目標含む)の策定・提出が必要
  • 賃金引上げ等の数値計画の表明が求められる
  • 補助額5万円〜450万円、補助率原則1/2以内(要件充足時は2/3以内)の基本枠組みは継続

③ 地域雇用開発助成金|過疎・雇用不足地域での開業に有効

厚生労働省が実施する助成金で、特定地域に事業所を設置・整備し、その地域の求職者を雇用した事業者に支給されます。対象地域は「同意雇用開発促進地域(求職者数に比べて雇用機会が著しく不足している地域)」や「過疎等雇用改善地域(働きざかり世代の流出が顕著な地域)」などに限定されます。

主な申請要件

  • 対象地域での施設・設備の設置・整備および地域求職者の雇い入れ計画書を労働局長に提出すること
  • 助成対象の設置・整備費用は1点あたり20万円以上、合計300万円以上であること
  • 地域在住の求職者をハローワーク等の紹介により、計画期間内に3人(創業の場合は2人)以上雇い入れること

助成額の目安

設置・整備費用と対象者の増加人数に応じて48万円〜760万円の範囲で支給されます。支給は1年ごとに最大3回(計画期間最大18ヶ月)にわたり、中小企業や創業時には加算措置もあります。

④ 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」|開業前の資金調達に

返済が必要な融資制度ですが、補助金だけでは賄えない開業資金・運転資金の確保に不可欠な選択肢です。2024年3月に廃止された「新創業融資制度」の支援の考え方を引き継ぎ、2025年3月に「新規開業資金」から現名称に改名されました。個人事業主・法人ともに利用可能で、融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)です。

  • 対象:新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
  • 無担保・無保証での融資が可能な体制が整備されている
  • 申し込みから融資実行までの期間は通常2週間〜1ヶ月半程度
  • フロー:相談・申し込み → 書類提出 → 面談(申込から約1〜2週間後) → 審査 → 結果通知・融資実行(面談から約1〜2週間後)

採択率を上げるための事業計画書の書き方

持続化補助金の審査では以下の観点が確認されます。学習塾の開業計画に当てはめて具体的に記述することが採択率向上につながります。

審査で確認される主なポイント

  • 自社の経営状況・強み・サービス内容を正確に把握・記述できているか
  • 経営方針・目標と今後のプランが自社の強みを踏まえたものになっているか
  • 補助事業計画が具体的で、実現可能性が高いと判断できるか
  • デジタル技術を有効に活用する取り組みが盛り込まれているか
  • 事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか

学習塾向けの事業計画書で有効な記述の観点

  • 事業の独自性・革新性(例:「オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型指導体制の構築」)
  • 誰に・どんなサービスを・なぜ提供するかの社会的意義(例:「地域の中学受験対策ニーズへの対応」)
  • 補助金の使い道と具体的な効果(例:「HP制作費・チラシ制作費・SNS広告費に充当し、開業半年で生徒30名獲得を目標とする」)
  • 具体的な収支計画と数値目標

政策加点が受けられる事業者の類型

  • 「経営力向上計画」(中小企業等経営強化法)の認定を受けている事業者
  • 代表者が満60歳以上で後継者候補が補助事業の中心となって実施する計画
  • 過疎地域に所在し、地域経済の持続的発展につながる取り組みを行う事業者
  • 地域内の需要喚起を目的とした取り組みを実施する事業者

申請前に把握しておくべき注意点

① 交付決定前の発注・購入は補助対象外

補助金の交付決定通知が届く前に発注・購入した設備・サービスは補助対象になりません。「補助金が取れそう」という段階での先行発注は採択・不採択にかかわらずリスクがあります。必ず公募要領を確認し、交付決定後に発注してください。

② 公募期間の確認を怠らない

補助金には公募期間が設定されており、期間外は申請できません。持続化補助金は年2〜5回程度の公募があります。第19回については2026年5〜6月頃の申請受付開始が予定されており(2026年3月6日に受付開始・締切は4月30日)、公募開始の1〜2か月前から準備を開始する必要があります。

③ 補助金は後払いのため自己資金の立替が必要

補助金は事業完了後に実績報告書・領収書等を提出し、確定検査を経て入金される後払い方式です。経費は一時的に自己資金で立て替える必要があります。開業時の資金繰り計画に織り込んでおく必要があります。

④ 採択後の継続義務と返還リスク

補助金・助成金は採択後も一定期間の事業継続が条件となっています。雇用助成金は雇用継続義務を満たさない場合に返還義務が発生し、設備投資補助金は補助対象の設備を無断で売却すると返還を求められる場合があります。

学習塾開業者向け「補助金活用ロードマップ」

フェーズ1:開業前

日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」

融資限度額7,200万円(うち運転資金4,800万円)。開業資金・運転資金の確保に活用。無担保・無保証での融資が可能。返済が必要な点に注意。

フェーズ2:開業時〜開業後1年以内

小規模事業者持続化補助金〈創業型〉

上限200万円(インボイス特例で最大250万円)・補助率2/3。広告費・HP制作費・教室備品購入費などに活用できる。採択率37.9%(第1回実績)。

フェーズ3:運営開始後(継続的な販路開拓)

小規模事業者持続化補助金〈一般型〉

上限50〜250万円(特例適用時)・補助率2/3。年複数回の公募があり、継続的なマーケティング強化・デジタル化に活用できる。平均採択率約57%。

フェーズ4:IT化・DX推進時

IT導入補助金(2026年度〜デジタル化・AI導入補助金)

上限450万円・補助率1/2〜2/3。生徒管理システム・LMS・オンライン授業システムの導入費用に活用できる。IT導入支援事業者経由での申請が必要。

特定地域限定

地域雇用開発助成金

過疎地域・雇用不足地域が対象。設置・整備費用300万円以上かつ地域求職者2〜3人以上の雇用が条件。最大760万円×3回の支給。持続化補助金との併用も可能。

相談窓口:商工会・商工会議所では、補助金申請書類の添削や制度選びのアドバイスを無料で提供しています。中小企業基盤整備機構が運営する「ミラサポplus」では、複数の補助金・支援策を横断的に検索できます。認定支援機関(税理士・中小企業診断士等)に申請サポートを依頼する方法もあります。

参考情報

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