ものづくり補助金と事業再構築補助金の採択率比較|2026年度の最新動向と申請戦略
中小企業・小規模事業者が活用できる代表的な補助金として、「ものづくり補助金」と「事業再構築補助金」が挙げられます。事業再構築補助金は第13回公募で新規受付を終了し、ものづくり補助金も2026年度は後継の新事業進出補助金と統合した新制度への再編を控えるなど、両制度は大きな転換期にあります。採択率・補助額・申請要件のいずれも最新情報を把握した上で申請することが重要です。本記事では、2026年6月時点の情報をもとに、両補助金の採択率推移・制度概要・申請戦略を具体的な数値データとともに整理します。
制度概要と位置づけ
ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、革新的な新製品・新サービス開発や海外需要開拓に必要な設備投資を支援する制度です。経済産業省・中小企業庁が管轄し、2026年度も第23次公募(2026年5月8日締切・採択発表2026年8月上旬頃予定)まで実施されています。
事業再構築補助金は、新市場進出(新分野展開・業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰などの思い切った事業再構築を支援する制度として2020年度に創設されました。ただし、第13回公募(2025年1月10日〜3月26日)で新規応募申請受付は終了しており、後継の「中小企業新事業進出補助金」に移行しています。
| 項目 | ものづくり補助金 | 事業再構築補助金 |
|---|---|---|
| 管轄 | 経済産業省・中小企業庁 | 経済産業省・中小企業庁 |
| 主な目的 | 生産性向上・設備投資支援 | 新事業進出・事業再構築 |
| 2026年度の状況 | 第23次公募の受付終了(2026年5月8日締切)。以降は新制度へ統合予定 | 第13回で終了・後継制度(新事業進出補助金)へ移行済み |
| 対象事業者 | 中小企業・小規模事業者 | 中小企業・中堅企業・個人事業主 |
補助額・補助率の比較
両補助金は補助額・補助率ともに大きく異なります。ものづくり補助金は設備投資額に応じた補助、事業再構築補助金は従業員規模に応じた上限設定が特徴です。
ものづくり補助金(第23次公募)
| 申請枠 | 補助金額 | 補助率(中小企業) | 補助率(小規模) |
|---|---|---|---|
| 製品・サービス高付加価値化枠 | 100万円〜2,500万円(従業員規模別) | 1/2 | 2/3 |
| グローバル枠 | 100万円〜3,000万円 | 1/2 | 2/3 |
大幅な賃上げ(1人あたり給与支給総額の年平均6.0%以上増加等)に取り組む事業者向けの特例措置として、条件を満たすと補助上限額が100〜1,000万円上乗せされます(グローバル枠は最大4,000万円)。また第23次からは、賃上げの基本要件が「従業員1人あたり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上増加」に一本化されています。
事業再構築補助金(第13回・回復・再生応援枠)
| 従業員規模 | 補助金額 | 補助率 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 100万円〜500万円 | 中小企業者等 3/4 |
| 6〜20人 | 100万円〜1,000万円 | 中小企業者等 3/4 |
| 21人以上 | 100万円〜1,500万円 | 中堅企業等 2/3 |
採択率の推移と比較
両補助金の採択率は、公募回ごとに変動しています。以下は直近の実績データです。
ものづくり補助金の採択率推移
| 公募回 | 採択率 | 備考 |
|---|---|---|
| 第13次(一般型) | 58.35% | 応募3,261件中1,903件採択 |
| 第19次 | 31.8% | 30%台が定着 |
| 第20次 | 33.6% | 前回比+約2ポイント |
| 第21次 | 34.1% | 応募1,872者中638者採択(2026年1月発表) |
| 第22次 | 37.5% | 応募1,552者中582者採択(2026年4月30日発表) |
事業再構築補助金の採択率推移
| 公募回 | 採択率 | 備考 |
|---|---|---|
| 過去最高 | 約51% | 初期公募時 |
| 第11・12回 | 26.5% | 過去最低水準 |
| 第13回(最終) | 35.5% | 申請3,100件中1,101件採択 |
近年の傾向を比較すると、ものづくり補助金は50〜60%台の採択率を記録していた時期もありましたが、現在は30%台が標準となっています(第20次33.6%→第21次34.1%→第22次37.5%と緩やかな上昇傾向)。第23次の採択結果は2026年8月上旬頃の公表予定です。事業再構築補助金は第11・12回に26.5%まで低下し、最終回の第13回では35.5%に回復しました。後継の新事業進出補助金も第1回約37.2%・第2回約35.4%と、30%台半ばの水準が続いています。
採択率の注意点
採択率は公募回・申請枠・審査基準の変更によって毎回変動します。過去の数値はあくまで参考値であり、最新の公募要領で確認することが不可欠です。申請フローと必要要件
ものづくり補助金(第23次公募・受付終了)
- 公募開始:2026年2月6日(金)、電子申請受付開始:2026年4月3日(金)17:00〜
- 申請締切:2026年5月8日(金)17:00(受付終了)
- 採択結果公表予定:2026年8月上旬頃
- 申請方法:jGrantsによる電子申請のみ
- GビズIDプライムの事前取得が必須(取得まで2〜3週間必要)
- 次回以降は「新事業進出・ものづくり補助金」(統合新制度)として公募予定。申請受付開始は2026年8月頃と予告されており、確定スケジュールは公式サイトで確認
事業再構築補助金(第13回・最終公募)
- 公募期間:2025年1月10日(金)〜2025年3月26日(水)18:00
- 採択発表予定:2025年6月下旬〜7月上旬頃
- 認定経営革新等支援機関による事業計画の確認が必須
- 補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年平均成長率3〜5%以上増加が要件
GビズIDの取得は早めに
ものづくり補助金の電子申請にはGビズIDプライムが必須です。取得には2〜3週間かかるため、公募開始を待たず事前に手続きを完了しておく必要があります。2025〜2026年度の最新動向
ものづくり補助金の主な変更点
- 2025年度の第19次公募から「収益納付」が廃止。補助事業で利益が出ても国への返還義務がなくなった。
- 第23次公募から賃上げが基本要件化され、「従業員1人あたり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上増加」等が必須となった。
- 令和7年度補正予算により「新事業進出補助金」と統合した「新事業進出・ものづくり補助金」への再編が予定されている。枠構成は「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3枠とされ、グローバル枠の補助上限は最大7,000万円(大幅賃上げ特例で9,000万円)へ引き上げ予定(公募要領公開までは予定情報)。
- 審査では「経営力」「事業性」「実現可能性」の観点に加え、賃上げ等の政策目標への寄与も重視される。
事業再構築補助金の終了と後継制度
事業再構築補助金は第13回公募をもって終了し、後継的位置づけの「中小企業新事業進出補助金」が2025年4月に創設されました。既存事業の枠組みにとらわれず、新たな市場や高付加価値事業への進出に必要な設備投資を支援する制度で、補助上限は従業員規模別に最大7,000万円(大幅賃上げ特例で9,000万円)、補助率は1/2(特例適用時2/3)です。第4回公募が2026年6月19日18:00締切で受付中であり、現行制度としてはこれが最終回とされ、以降はものづくり補助金と統合した新制度へ移行する予定です。
事業再構築補助金は新規申請終了
事業再構築補助金の新規応募申請は第13回公募(2025年3月26日締切)で終了しています。同種の支援を求める場合は、後継制度「中小企業新事業進出補助金」(第4回公募:2026年6月19日締切)および統合後の「新事業進出・ものづくり補助金」の公募情報を確認してください。また、IT導入補助金は2026年度から「デジタル化・AI導入補助金2026」に名称変更され、2026年3月30日に交付申請受付が開始されています。直近の締切は2026年6月15日17:00で、以降も複数回の締切が予定されています。
採択率向上のための申請戦略
両補助金に共通して、採択率を高めるためには以下の3点が重要です。
1. 実現可能性を根拠で示す
事業計画書では「実現性」が最重視されます。売上・収益の数値目標は漠然とした期待値ではなく、市場分析や過去実績に基づく具体的な予測値として記載することが求められます。根拠ある市場分析・収益見通し・実施体制・リスク管理計画が採否に直結します。
2. 政策目標(賃上げ)への対応
ものづくり補助金では、賃上げや最低賃金への取り組みに応じて補助上限額・補助率が優遇される特例があります。計画段階から賃上げの具体的な取り組みを盛り込むことで、審査においても有利に働く可能性があります。
3. 加点項目の積極的な活用
ものづくり補助金では加点項目の提出数が採択率に影響します。「事業継続力強化計画の認定」は代表的な加点項目であり、採択優位性だけでなく災害時の早期事業再開などのメリットもあります。
4. 書類不備のゼロチェック
不採択の主な原因として、見積書の宛名不一致や有効期限切れなどの書類不備が挙げられます。公募開始から締切までの期間は概ね2〜3か月程度であり、書類作成・見積取得・社内調整を含めると時間的余裕は限られています。早期に準備を開始することが不可欠です。
どちらの補助金を選ぶべきか
| 状況 | 推奨 |
|---|---|
| 既存事業の生産性向上・設備投資 | ものづくり補助金 |
| 新市場進出・業態転換・事業再編 | 新事業進出補助金(第4回:2026年6月19日締切) |
| 販路開拓・マーケティング支援 | 小規模事業者持続化補助金 |
| ITツール導入・デジタル化・AI活用 | デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金・公募中) |
専門家への相談を活用する
認定経営革新等支援機関(認定支援機関)への相談は、事業再構築補助金では必須要件でしたが、ものづくり補助金でも計画書の質を高める上で有効です。商工会・商工会議所や中小企業診断士などの専門家を積極的に活用してください。関連補助金・支援制度
ものづくり補助金・事業再構築補助金以外にも、目的に応じて活用できる補助金があります。
- 小規模事業者持続化補助金:販路開拓や生産性向上の取り組みを支援。補助上限額は50万円〜最大250万円に拡充済み。
- デジタル化・AI導入補助金2026:IT導入補助金の後継制度として2026年3月30日から交付申請受付中(直近締切:2026年6月15日)。中小企業・小規模事業者のITツール・AI搭載ツール導入費用の一部を補助。
- 中小企業新事業進出補助金:事業再構築補助金の後継制度。中小企業の新事業進出や事業転換への投資を重点的に支援。第4回公募(2026年6月19日締切)が現行制度の最終回とされ、以降はものづくり補助金と統合予定。
自社の状況に合った補助金を探すには、補助金検索ツールを活用してください。また、補助金全般の基礎知識は補助金ガイド一覧でも確認できます。
まとめ
- ・ものづくり補助金は第23次公募(2026年5月8日締切)の受付が終了し、採択発表は2026年8月上旬頃予定。採択率は直近で37.5%(第22次・2026年4月発表)。
- ・事業再構築補助金は第13回公募(2025年3月26日締切)で新規申請受付終了。最終回の採択率は35.5%(申請3,100件中1,101件)。
- ・事業再構築補助金の後継「中小企業新事業進出補助金」は第4回公募(2026年6月19日締切)が受付中。以降はものづくり補助金と統合した「新事業進出・ものづくり補助金」として2026年8月頃から公募予定。
- ・採択率向上には、根拠ある事業計画書・賃上げへの対応・加点項目の活用・書類の完全性が重要。
- ・既存事業の設備投資強化はものづくり補助金(統合後は革新的新製品・サービス枠)、新市場進出・事業転換は新事業進出補助金(統合後は新事業進出枠)が適合する。
- ・GビズIDプライムの取得には2〜3週間かかるため、申請準備は公募開始前から着手することが重要。
参考情報
本記事は以下の公式情報源をもとに作成しています。
- ものづくり補助金総合サイト: https://portal.monodukuri-hojo.jp/
- 事業再構築補助金公式サイト: https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
- Jグランツ(電子申請システム): https://www.jgrants-portal.go.jp/
- GビズID: https://pr.gbiz-id.go.jp/
- 中小企業庁: https://www.chusho.meti.go.jp/
- ミラサポplus: https://mirasapo-plus.go.jp/
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