インボイス対応で使える補助金は?IT導入補助金・持続化補助金を比較【2026年版】
この記事のポイント
インボイス対応でまず検討すべき3制度
旧IT導入補助金。会計ソフト・レジ・受発注システムの導入費用を補助。小規模事業者はソフトウェア補助率最大4/5
免税→課税転換で上限+50万円。販路開拓やインボイス対応の事務負担軽減に
受発注管理システムの大規模刷新など、大型投資を伴う場合に(上限750万〜2,500万円、大幅賃上げ特例で最大3,500万円)
出典: 各補助金公募要領|最終確認: 2026年6月
どの事業者にどの制度が向くか?
インボイス対応の状況と導入したいものに応じて、最適な補助金が変わります。
| やりたいこと | おすすめ制度 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|---|
| クラウド会計ソフトの導入 | デジタル化・AI導入補助金 | 2/3〜4/5 | 350万円 |
| インボイス対応レジの購入 | デジタル化・AI導入補助金 | 1/2 | 20万円 |
| 免税→課税転換 + 販路開拓 | 持続化補助金 | 2/3 | 100万円 |
| 受発注システムの大規模刷新 | ものづくり補助金 | 1/2〜2/3 | 2,500万円 |
| PC・タブレットの購入 | デジタル化・AI導入補助金 | 1/2 | 10万円 |
出典: 各補助金公募要領より作成|最終確認: 2026年6月
デジタル化・AI導入補助金2026(インボイス枠)の詳細
IT導入補助金は2026年度から「デジタル化・AI導入補助金2026」に名称が変わりました(事務局は中小企業基盤整備機構)。「インボイス枠(インボイス対応類型)」は、会計・受発注・決済ソフトの導入費用を補助します。2026年度からは生成AIを活用したツールも補助対象として明確化されています。
| 対象 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|
| ソフトウェア(50万円以下) | 4/5(小規模)、3/4 | 50万円 |
| ソフトウェア(50万円超) | 2/3 | 350万円 |
| PC・タブレット等 | 1/2 | 10万円 |
| レジ・券売機 | 1/2 | 20万円 |
出典: デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト公募要領|最終確認: 2026年6月。ハードウェアの上限額等は2025年度の水準を踏襲したものです。申請前に最新の公募要領をご確認ください。
対象ツールの具体例
- クラウド会計ソフト(freee、マネーフォワード、弥生会計等)
- 受発注管理システム
- インボイス対応POSレジ
- 電子帳簿保存法対応ソフト
- 生成AI機能を搭載した業務ツール(公式ツール検索でAI機能による絞り込みが可能)
小規模事業者持続化補助金(インボイス特例)の詳細
小規模事業者持続化補助金には、免税事業者が新たに課税事業者に転換した場合に補助上限額が+50万円上乗せされる「インボイス特例」があります。
| 枠 | 通常上限 | インボイス特例適用時 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 50万円 | 100万円(+50万円) |
| 賃金引上げ特例 併用時 | 200万円 | 250万円(+50万円) |
出典: 小規模事業者持続化補助金 公募要領|補助率: 2/3(賃金引上げ特例を活用する赤字事業者は3/4)|最終確認: 2026年6月
特例の対象: 免税事業者のうち、適格請求書(インボイス)発行事業者の登録を受けた事業者。対象となる課税期間等の詳細な条件は、申請する公募回の最新の公募要領をご確認ください。
なお、2026年5月公開の第20回公募(公募要領第7版)では、賃金引上げ特例の要件が「従業員1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増加」させる方式に変更され、広報費・ウェブサイト関連費にそれぞれ上限30万円(税込)が新設されたとされています。詳細は公募要領をご確認ください。
補助対象になりやすい費用・なりにくい費用
対象になりやすい
- クラウド会計ソフトのライセンス
- インボイス対応POSレジ
- 受発注管理システム
- 電子帳簿保存法対応ソフト
- レジ・券売機のハードウェア
対象になりにくい
- 税理士への顧問料
- インボイス登録申請の手数料
- 消費税の納税額そのもの
- 汎用PC(IT導入補助金以外)
- すでに購入済みの製品
インボイス対応以外にも、あなたの事業に合った補助金があるかもしれません
補助金を検索する2割特例の終了と対応策(2026年9月末)
2割特例(免税事業者が課税事業者に転換した場合に納税額を売上税額の2割にできる制度)の終了後は、本則課税か簡易課税を選択する必要があります。
業種別: 2割特例 vs 簡易課税の比較
| 業種 | 簡易課税みなし仕入率 | 2割特例終了後の影響 |
|---|---|---|
| 卸売業 | 90% | 簡易課税で税負担変わらず |
| 小売業 | 80% | 同等 |
| 飲食業 | 60% | 税負担が増加 |
| サービス業 | 50% | 税負担が増加 |
出典: 国税庁「インボイス制度特設サイト」
個人事業主には「3割特例」が措置される見込み
令和8年度税制改正大綱では、個人事業者のみを対象に、納税額を売上税額の3割とする「3割特例」を2027年分・2028年分の課税期間に適用する措置が盛り込まれました。法人は対象外のため、2割特例の終了後は本則課税か簡易課税の選択が必要です。改正法の最終的な内容は国税庁の公表情報をご確認ください。
免税事業者からの仕入控除の経過措置
免税事業者からの仕入れに係る80%控除の経過措置は、当初は2026年10月から控除割合が50%に引き下げられる予定でしたが、令和8年度税制改正大綱で段階的な引き下げに緩和され、終了時期も2年延長される方向です。
| 期間 | 控除割合 |
|---|---|
| 2023年10月〜2026年9月 | 仕入税額の80% |
| 2026年10月〜2028年9月 | 仕入税額の70% |
| 2028年10月〜2030年9月 | 仕入税額の50% |
| 2030年10月〜2031年9月 | 仕入税額の30% |
| 2031年10月〜 | 控除不可 |
※ 2026年10月以降のスケジュールは令和8年度税制改正大綱(2025年12月公表)に基づくものです。最終的な内容は改正法の成立後に国税庁の情報でご確認ください。
2026年の公募スケジュール(直近締切)
2026年6月時点の各制度の公募状況です。締切後の公募回は事務局の発表を待って順次更新されます。
| 制度 | 締切 | 状況 |
|---|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金2026(全枠共通) | 2026年6月15日(月)17:00 | 受付中(交付決定は7月23日予定) |
| 持続化補助金(一般型・通常枠)第19回 | 2026年4月30日(木)17:00 | 受付終了(採択発表は2026年7月頃予定) |
| 持続化補助金(一般型・通常枠)第20回 | 2026年12月15日(火)17:00 | 公募要領公開済み(受付開始は2026年11月5日、様式4の発行受付締切は12月4日) |
出典: 各事務局公式サイト・中小企業庁|最終確認: 2026年6月13日
申請の具体的なフロー
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の場合
- GビズIDプライムを取得(2〜3週間)
- IT導入支援事業者を選定(公式サイトで検索可能)
- 導入するITツールを選定(事務局登録済みツールから)
- 交付申請(支援事業者と共同で電子申請)
- 交付決定後にツール導入 → 実績報告 → 補助金交付
小規模事業者持続化補助金の場合
- 経営計画書・補助事業計画書を作成
- 商工会議所で事業支援計画書を発行
- 電子申請(jGrants) → 採択 → 事業実施 → 補助金交付
よくある質問(FAQ)
Q. 免税事業者のままでいることはできますか?
可能です。ただしBtoB取引が中心の場合、取引先が仕入税額控除を受けられなくなるため、値引き要求等を受けるリスクがあります。BtoC中心の事業者は影響が比較的小さいです。
Q. 補助金を使って買った会計ソフトは課税対象ですか?
補助金自体は消費税の課税対象外(不課税)です。ただし法人税・所得税の計算上は収入(益金)に算入されます。
Q. デジタル化・AI導入補助金と持続化補助金は併用できますか?
同一経費での重複受給はできませんが、別の経費であれば併用可能です。例えば会計ソフトをデジタル化・AI導入補助金、チラシ制作を持続化補助金で申請するのはOKです。
Q. 2割特例と簡易課税はどちらが有利ですか?
業種によります。卸売業(みなし仕入率90%)は簡易課税が有利、飲食業やサービス業は2割特例が有利です。上の比較表を参考に、税理士にご相談ください。
Q. 自治体独自のインボイス支援制度はありますか?
はい。ITツール導入費補助や専門家派遣など、自治体が独自に設けているケースがあります。ミラサポplusで地域の支援策を検索できます。
まとめ: インボイス対応の補助金活用戦略
- 会計ソフト・レジ: デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)のインボイス枠(小規模事業者はソフトウェア補助率最大4/5)。直近締切は2026年6月15日
- 免税→課税転換: 持続化補助金インボイス特例で上限+50万円(第20回は2026年12月15日締切)
- 大規模システム刷新: ものづくり補助金(上限750万〜2,500万円、大幅賃上げ特例で最大3,500万円)
- 2割特例の終了準備: 2026年9月末まで。簡易課税への切替は事前届出が必要(個人事業主には2027年分・2028年分の「3割特例」が措置される見込み)
参考情報
- 国税庁 インボイス制度特設サイト: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm
- デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)公式サイト: https://it-shien.smrj.go.jp/
- ミラサポplus: https://mirasapo-plus.go.jp/
※ 本記事は2026年6月時点の公募要領・公開情報をもとに作成しています。補助率・上限額・経過措置の期限等は変更される場合があります。申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
この記事を書いた人
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