東京しごと財団の助成金まとめ|jGrantsに載らない東京都の支援制度を解説
「補助金さがすAI」で検索しても見つからない補助金・助成金は、実は少なくありません。当サービスが連携する jGrants(Jグランツ)は経済産業省が運営する補助金申請システムですが、東京都が独自に実施する助成金や奨励金の多くは jGrants に掲載されていません。本記事では、東京都内の中小企業・個人事業主にとって特に活用価値の高い公益財団法人東京しごと財団の主要助成金を網羅的にまとめました。
東京しごと財団とは
公益財団法人東京しごと財団は、東京都が設立した雇用・就業支援の専門機関です。2004年(平成16年)4月に、東京都高齢者事業振興財団と東京都心身障害者職能開発センターを統合して発足し、2011年(平成23年)に公益財団法人へ移行しました。
「働く意欲を持つすべての都民が、その経験や能力を活かして雇用・就業できるよう支援する」ことを目的としており、主に以下の事業を行っています。
- 東京しごとセンター事業 — 全年齢層の都民への就業支援サービス
- 雇用環境整備事業 — 中小企業向けの助成金・奨励金の支給
- 障害者就業支援事業 — 障害者の職業的自立促進
- シルバー人材センター事業 — 高齢者の社会参加支援
本記事で紹介する助成金は、主に「雇用環境整備事業」として実施されている制度です。東京都の予算に基づき運営されているため、国の補助金検索システムである jGrants には掲載されません。
主要な助成金・奨励金の一覧
東京しごと財団が中小企業向けに実施している主な助成金・奨励金を一覧にまとめました。
| 制度名 | 上限額 | 対象 |
|---|---|---|
| 創業助成事業 | 400万円 | 都内で創業5年未満の中小企業者等 |
| 働くパパママ育業応援奨励金 | 最大420万円 | 都内の中小企業等(従業員300人以下) |
| テレワーク促進助成金 | 250万円 | 都内の中小企業等 |
| テレワークトータルサポート助成金 | 要確認 | 都内の中堅・中小企業等 |
| DXリスキリング助成金 | 100万円 | 都内の中小企業等 |
| 事業内スキルアップ助成金 | 150万円 | 都内の中小企業等 |
| 手取り時間創出・魅力ある職場づくり推進奨励金 | 最大230万円 | 都内の中小企業等(従業員300人以下) |
| 男女間賃金格差改善促進奨励金 | 最大100万円 | 都内の中小企業等 |
| カスタマーハラスメント防止対策奨励金 | 40万円 | 都内の中小企業等(従業員300人以下) |
| 女性の活躍推進助成金 | 要確認 | 都内の中小企業等 |
年度によって制度内容が変わります
上記の金額・要件は主に令和7年度(2025年度)の情報です。東京しごと財団の助成金は年度ごとに制度内容や募集時期が変更されることがあります。申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
創業助成事業(最大400万円)
東京都内で創業を目指す方、または創業して間もない事業者にとって最も注目すべき制度が「創業助成事業」です。賃借料や広告費、人件費など幅広い経費が対象で、最大400万円(助成率2/3)が支給されます。
制度の概要
| 助成限度額 | 400万円(下限100万円) |
|---|---|
| 助成率 | 2/3以内 |
| 助成対象期間 | 交付決定日から最長2年間 |
| 対象者 | 都内で創業予定または創業5年未満の中小企業者等 |
対象となる経費
- 賃借料(事務所・店舗の家賃)
- 広告費(チラシ、Web広告など)
- 器具備品購入費
- 産業財産権出願・導入費
- 専門家指導費
- 従業員人件費
- 委託費(市場調査・分析)
申請要件
申請には、以下のいずれかの「指定創業支援事業」を利用していることが必要です(全22類型)。
- TOKYO創業ステーションでの事業計画書策定支援の完了
- 東京都が設置した創業支援施設(インキュベーション施設)への入居
- 東京都中小企業制度融資(創業融資)の利用
- その他、都や区市町村が実施する創業支援事業の利用
注意
創業助成事業は東京しごと財団ではなく、東京都中小企業振興公社(TOKYO創業ステーション)が窓口です。東京都の予算で運営される点は同じですが、申請先が異なります。
働くパパママ育業応援奨励金(最大420万円)
従業員の育児休業(育業)取得を推進する中小企業を支援する制度です。男性の育業促進や女性の就業継続に取り組む企業に対し、最大420万円の奨励金が支給されます。
コース別の支給額
| コース | 支給額 | 要件 |
|---|---|---|
| 働くパパコースNEXT | 25万〜330万円 取得日数に応じて変動 |
男性従業員が15日以上の育業を取得 |
| 働くママコースNEXT | 最大175万円 125万円+同僚支援加算50万円 |
女性従業員が1年以上育業し原職復帰後3ヶ月経過 |
| パパと協力!ママコース | 要確認 | 女性従業員が子の父と協力して6ヶ月以上1年未満育業 |
対象企業
- 都内に本社または事業所がある中小企業等(常時雇用する従業員300人以下)
- 都内勤務の従業員が育業を取得していること
- 就業規則に育児休業制度が規定されていること
テレワーク関連の助成金
東京しごと財団では複数のテレワーク関連助成金を実施しています。テレワーク環境の新規導入から拡充まで、段階に応じた支援を受けられます。
テレワーク促進助成金(最大250万円)
テレワーク環境の整備に必要な機器やソフトウェアの導入費用を助成する制度です。
- 助成限度額: 最大250万円
- パソコン・タブレット(税込単価10万円未満)の購入も対象
- 新規導入だけでなく、既にテレワークを実施している事業者の拡充も対象
テレワークトータルサポート助成金
東京都のテレワーク相談窓口やコンサルティングを利用した中堅・中小企業向けの助成金です。専門家の助言を受けた上でテレワーク環境を整備する場合に利用できます。
その他のテレワーク助成金
- 育児・介護との両立のためのテレワーク導入促進助成金 — 育児・介護中の従業員向けテレワーク環境整備
- テレワーク定着促進フォローアップ助成金 — 導入後の定着に向けた取組支援
- 小規模テレワークコーナー設置促進助成金 — テレワークスペースの設置支援
人材育成・スキルアップ助成金
従業員の研修・教育に対する助成金も充実しています。特にDX・デジタル分野のスキルアップ支援に力を入れています。
DXリスキリング助成金(上限100万円)
| 助成限度額 | 1社あたり100万円(上限に達するまで複数回申請可) |
|---|---|
| 助成率 | 対象経費の3/4 |
| 1人あたり上限 | 7万5,000円 |
| 対象 | DX・デジタル関連の外部研修費用 |
事業内スキルアップ助成金(上限150万円)
| 助成限度額 | 1社あたり150万円(上限に達するまで複数回申請可) |
|---|---|
| 助成額の計算 | 受講者数 × 研修時間 × 760円 |
| 対象 | 社内で実施する従業員向けの職業訓練 |
事業外スキルアップ助成金
従業員を外部の教育機関や研修会社が実施する講座に参加させた場合に、受講料の一部が助成される制度です。
職場環境改善の奨励金
従業員の働きやすさ向上や職場環境の改善に取り組む企業向けの奨励金も複数用意されています。
手取り時間創出・魅力ある職場づくり推進奨励金(最大230万円)
2回の専門家派遣を受けた上で、従業員のエンゲージメント向上や「手取り時間」(従業員が自由に使える時間)の創出に取り組む企業に最大230万円の奨励金が支給されます。
- 対象: 都内の中小企業等(常時雇用する従業員300人以下)
- 取組内容に応じて支給額が変動
男女間賃金格差改善促進奨励金(最大100万円)
男女間の賃金格差解消に取り組む企業を支援する制度です。女性活躍推進法に基づく行動計画の公表と、男女間賃金差異の情報公開を行い、全社員研修を実施した企業が対象です。
- 1社あたり最大100万円(1回限り)
- 厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」への公開が必要
カスタマーハラスメント防止対策奨励金(一律40万円)
2025年4月施行の「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」を受けて新設された制度です。カスハラ対策マニュアルの整備と実践的な取組を行った中小企業に対して、一律40万円が支給されます。
- 対象: 都内の中小企業等(常時雇用する従業員300人以下)
- カスハラ対策マニュアルの整備が必須
- 録音・録画環境の整備、AIシステムの導入、外部人材の活用のいずれかを実施
- 事前エントリー制(募集回ごとに申請受付)
申請時の共通注意点
東京しごと財団の助成金には、国の補助金とは異なる特徴があります。申請前に以下の点を確認しましょう。
1. 東京都内に事業所があること
すべての助成金に共通して、都内に本社または事業所を有することが要件です。登記上の本社が都外でも、都内に事業所があれば対象になる制度もあります。
2. 年度ごとに制度が変わる
東京都の予算に基づく制度のため、年度ごとに内容・金額・募集時期が変更されることがあります。前年度にあった制度が翌年度に廃止されたり、新制度が追加されることも珍しくありません。
3. 事前のアクションが必要な制度が多い
専門家派遣の利用、指定の創業支援事業の完了、マニュアル整備など、申請前に一定のアクションを完了していることが求められる制度が多いのが特徴です。思い立ってすぐに申請できるものは少ないため、早めの情報収集と準備が重要です。
4. 申請窓口を確認する
東京しごと財団の助成金の中には、窓口が財団本体ではなく、東京都中小企業振興公社や東京都産業労働局など別の機関である制度もあります。申請先を間違えないよう注意してください。
jGrantsに掲載されない理由
jGrants(Jグランツ)は経済産業省が運営する補助金の電子申請システムです。経済産業省や中小企業庁が所管する補助金(ものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金など)はjGrantsで検索・申請できますが、以下の理由から東京しごと財団の助成金は掲載されていません。
- 運営主体が異なる — jGrantsは国(経済産業省)のシステムであり、東京都独自の助成金は対象外
- 申請システムが別 — 東京しごと財団は独自の申請フォームや郵送で受け付けており、jGrantsを利用していない
- 制度設計の違い — 国の補助金は全国一律の要件ですが、東京都の助成金は都内事業者限定であり、管理体系が異なる
同様に、他の自治体(大阪府、愛知県など)が独自に実施する助成金・奨励金もjGrantsには掲載されないケースが多くあります。補助金・助成金を漏れなく探すには、国の制度(jGrants)と自治体独自の制度の両方をチェックすることが大切です。
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- 東京しごと財団は東京都が設立した雇用・就業支援の専門機関で、中小企業向けの助成金・奨励金を多数実施している
- 創業助成事業(最大400万円)、働くパパママ育業応援奨励金(最大420万円)など、金額の大きい制度がある
- テレワーク促進、DXリスキリング、カスハラ対策など、時代に合った支援制度が充実
- jGrantsには掲載されないため、東京しごと財団の公式サイトで直接確認する必要がある
- 年度ごとに制度が変わるため、早めの情報収集と事前準備が重要
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