コラム ·
映画『AIR/エア』に学ぶ|倒産寸前だったNikeが一人の選手に全額を賭けた話
1984年、Nike(ナイキ)のバスケットボール部門は業界3位、しかも閉鎖寸前でした。トップを走るのはコンバース、2位はアディダス。選手契約に使える予算はわずか25万ドル。そんな崖っぷちのチームが、ある一人のスカウトの「狂気の提案」に賭けます——全予算を、まだNBAでプレーすらしていない新人ドラフト
30件の記事
コラム ·
1984年、Nike(ナイキ)のバスケットボール部門は業界3位、しかも閉鎖寸前でした。トップを走るのはコンバース、2位はアディダス。選手契約に使える予算はわずか25万ドル。そんな崖っぷちのチームが、ある一人のスカウトの「狂気の提案」に賭けます——全予算を、まだNBAでプレーすらしていない新人ドラフト
コラム ·
かつて、北米の携帯電話市場の45%を握った端末がありました。ビジネスパーソンの親指は、その物理キーボードの上で踊り、米国ではあまりの中毒性から「クラックベリー(CrackBerry)」とまで呼ばれた——カナダの小さな会社、Research In Motion(RIM)が生んだBlackBerryです
コラム ·
電話一本で見ず知らずの相手に株を売りつけ、若くして高級車とブランドスーツを手にする——。2000年公開の映画『ボイラールーム』(Boiler Room)は、ニューヨーク郊外の違法証券会社に飛び込んだ若者たちの狂騒と転落を描いた作品です。「ボイラールーム」とは、狭いオフィスに電話を並べ、ひたすら見込み
コラム ·
主人公のカール・キャスパーは、ロサンゼルスの人気レストランで総料理長を務める腕利きのシェフです。スタッフからの信望は厚いものの、オーナーのリヴァとは折り合いが悪い。著名な料理評論家ラムジー・ミシェルが来店すると知ったカールは意欲的な新メニューを構想しますが、リヴァは「いつもの人気料理を出せ」と直前で
コラム ·
寂れたショッピングモールのゲーム販売店——誰もが「もう終わった会社」と見なしていたGameStop(ゲームストップ)の株価が、わずか数週間で約17ドルから483ドルへと暴騰しました。仕掛けたのは、巨大ファンドでも著名投資家でもありません。Reddit(レディット)の掲示板に集まった、無数の名もなき個
コラム ·
かつて「全米で最も革新的な企業」と6年連続で称えられ、株価は90ドルを超え、時価総額は600億ドルに達した会社がありました。エネルギー大手・エンロンです。ところがその会社は、2001年12月、わずか数週間のうちに崩れ落ち、米国史上最大級の倒産劇となりました。2万人を超える従業員が職を失い、年金を含む
コラム ·
巨大企業フォードが、レース界の絶対王者フェラーリを倒すために走り出す——。映画『フォードvsフェラーリ』(Ford v Ferrari, 2019)は、1966年のル・マン24時間耐久レースを舞台にした実話ドラマです。しかし、この映画の本当の見どころは、レースシーンの迫力だけではありません。「現場の
コラム ·
スーパーモデルたちがカリブ海の透き通った海でジェットスキーに乗り、白い砂浜で笑い合う——。2016年12月、ケンダル・ジェンナーをはじめとする400人もの著名人・インフルエンサーが、申し合わせたように1枚のオレンジ色の四角い画像を一斉投稿しました。それだけで、まだ存在しないはずの音楽フェス「Fyre
コラム ·
本社から派遣された男が、うらぶれた不動産営業所のドアを開けるなり、こう叫びます。「そのコーヒーを置け。コーヒーは契約を取った奴だけのものだ」。そして黒板に三文字を書く——A・B・C。Always Be Closing(常に契約を取れ)。1992年の映画『摩天楼を夢みて』(Glengarry Glen
コラム ·
2008年9月15日、アメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻し、世界経済が連鎖的に凍りつきました。なぜ、これほどの規模の崩壊が起きたのか——。その問いに正面から挑み、第83回アカデミー賞 長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したのが『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』(原題:
コラム ·
大手スポーツエージェンシーのトップ営業マンが、ある夜「自分は何のために働いているのか」と自問します。そして利益至上主義への疑問を1枚の提案書にまとめて社内に配ったところ、会社をクビになり、ついてきた顧客はたった1人だけ——。1996年公開の映画『ジェリー・マグワイア』(邦題:ザ・エージェント)は、ト
コラム ·
割れたグラスを拭いたモップを素手で絞り、ガラス片で手を切った——その小さな苛立ちから、世界で1,000万ドルを売り上げる商品が生まれました。映画『ジョイ』(Joy, 2015年)は、自宅の台所からスタートし、テレビショッピングの女王にまで上り詰めた実在の発明家ジョイ・マンガーノ(Joy Mangan
コラム ·
『ドリームプラン』は、ウィル・スミスが主演(この役で2022年アカデミー主演男優賞を受賞)を務めた伝記映画です。舞台は1990年代初頭、カリフォルニア州コンプトン。治安の悪さで知られるこの街で、警備員などの仕事を掛け持ちしながら家族を支える父リチャード・ウィリアムズが主人公です。
コラム ·
ある日、会社を倒産させかねない巨額のリスクが、一人の若手社員によって発見される——。もしあなたが経営者で、深夜にそんな報告を受けたら、翌朝までにどんな判断を下すでしょうか。映画『マージン・コール』(2011年、J.C.チャンダー監督)は、リーマン・ショック前夜のウォール街を舞台に、破滅的なリスクに気
コラム ·
オリンピックを目指していたモーグル選手が、競技人生を絶たれた後、ロサンゼルスのバーテンダーから身を起こし、ハリウッドの大スターや大富豪が集う「最低参加金1万ドル」の超高額ポーカーゲームを運営する経営者へと駆け上がる——。映画『モリーズ・ゲーム』(Molly's Game、2017年)は、実在の女性モ
コラム ·
予算は相手の4分の1。看板選手は次々と引き抜かれ、誰もが「今年は最下位だ」と思っていた弱小球団が、シーズン20連勝という当時のアメリカン・リーグ記録を打ち立てる——。映画『マネーボール』(Moneyball、2011年)は、米メジャーリーグ(MLB)のオークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャ
コラム ·
『パイレーツ・オブ・シリコンバレー』(Pirates of Silicon Valley, 1999年)は、Appleのスティーブ・ジョブズとMicrosoftのビル・ゲイツという、ふたりの若き創業者の確執を描いたTV映画です。映画のなかでジョブズは「優れたものを作れば勝てる」と信じ、ゲイツは「市場
コラム ·
在庫の医療機器が売れず、家賃も税金も払えない。妻は去り、幼い息子を連れて駅のトイレで夜を明かす——。それでも、無給のインターンを続けながら、最後は証券会社の正社員の座をつかみ取った男がいます。実在するクリス・ガードナーの半生を描いた映画『幸せのちから』(原題: The Pursuit of Happ
コラム ·
伝記映画というと、生い立ちから成功、晩年まで順を追って描くのが定石です。ところが2015年の映画『スティーブ・ジョブズ』は、その常識を捨てました。描かれるのはたった3つの製品発表会、その「直前の舞台裏」だけ。それぞれ40分ほどの濃密な会話劇が、3幕にわたって続きます。脚本は『ソーシャル・ネットワーク
コラム ·
世界で誰もが知る落ちものパズル「テトリス」。その裏側に、冷戦末期のソ連を舞台にした、命がけのライセンス交渉があったことをご存じでしょうか。Apple TV+で2023年に公開された映画『テトリス』(タロン・エガートン主演)は、オランダ系アメリカ人のゲームプロデューサーヘンク・ロジャースが、ソ連政府が
コラム ·
親から受け継いだ会社の利益を、映画と飛行機という「絶対に儲からない」と言われた二つの世界に惜しみなく注ぎ込んだ男がいました。映画『アビエイター』(2004年、マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演)が描くのは、実在の大富豪・実業家ハワード・ヒューズ(Howard Hughes、19
コラム ·
「住宅価格は決して下がらない」——2005年のアメリカで、ウォール街の誰もがそう信じていました。そんな中、たった一人の元医師が、何千ページもの住宅ローン契約書を一行ずつ読み込み、「この市場は2年後に崩壊する」という結論にたどり着きます。彼の名はマイケル・バーリ。映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転
コラム ·
52歳のミルクセーキ用ミキサーのセールスマンが、カリフォルニアの小さなハンバーガー店と出会い、わずか十数年で世界一の外食チェーンを築き上げた——。映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』(The Founder、2016年)は、マクドナルドを世界企業へと押し上げたレイ・クロックと、その原型を作
コラム ·
「経験は、決して時代遅れにならない(Experience never gets old)」——。2015年公開の映画『マイ・インターン』(The Intern)のキャッチコピーです。妻に先立たれた70歳の元会社役員ベン・ウィテカー(ロバート・デ・ニーロ)が、創業1年半で社員220人にまで急成長したフ
コラム ·
専業主婦として4人の子を育てていた46歳の女性が、夫の突然の死によって、ある日いきなり大新聞社の経営者になる——。スティーブン・スピルバーグ監督、メリル・ストリープ主演の映画『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(原題: The Post、2017年)は、ワシントン・ポストを率いたキャサリン・グラ
コラム ·
2010年公開の映画『ソーシャル・ネットワーク』(監督:デヴィッド・フィンチャー、脚本:アーロン・ソーキン)は、世界最大のSNS「Facebook」がハーバード大学の寮の一室から生まれるまでを描いた作品です。アカデミー賞3部門を受賞したこの映画の本当のテーマは、サクセスストーリーではありません。共同
コラム ·
事業で勝ち続けた先に、何が待っているのか——。2007年公開の映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(There Will Be Blood)は、その問いを突きつけてくる作品です。20世紀初頭、アメリカ西部の石油ブームに乗って財を成した一人の男が、富を増やすほどに人間関係を失い、最後は豪邸の中でたった
コラム ·
第二次世界大戦直後のアメリカ。デトロイトの巨大自動車メーカー「ビッグスリー」(GM・フォード・クライスラー)が君臨する業界に、たった一人で挑んだ男がいました。プレストン・タッカー(Preston Tucker、1903〜1956)。彼が世に出した「タッカー'48(通称トーピード)」は、シートベルト、
コラム ·
「Greed is good(強欲は善だ)」——金融史に残るこの一言は、オリバー・ストーン監督の映画『ウォール街』(1987) で、冷酷な投資家ゴードン・ゲッコーが株主総会で放った演説の一節です。公開から40年近くが経った今も、このセリフは「拝金主義の象徴」として引用され続けています。しかし映画をよ
コラム ·
マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013年)は、3時間にわたって札束とドラッグとパーティーが乱舞する、爽快ですらある作品です。しかしこの狂騒は、実在の証券会社ストラットン・オークモントと、その創業者ジョーダン・ベルフォートが、約1,50